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歩みと未来「物語」に 鎌倉婦人子供会館60年

7/4(火) 15:55配信

カナロコ by 神奈川新聞

 ◆元理事長溝口さん「灯火継いで」と本出版
 旧制女学校や女子大の同窓会有志らが運営し、地域住民向けの講座や教室が開かれる鎌倉婦人子供会館(鎌倉市小町)の歩みを振り返る本が出版された。会館を運営する公益財団法人の元理事長溝口文子さん(81)が、約60年の歴史と、これからへのメッセージをつづった。

 会館は改築改修工事を実施し、昨年4月にリニューアルオープン。リニューアルを見届けて11年務めた理事長を退いた溝口さんは「一区切りとして、これまでの記録をまとめよう」と「プラタナスは見ている-鎌倉婦人子供会館物語」を書き上げた。

 プラタナスは、会館の敷地に80年近く植わっていた木のこと。かなり傷んでいたため2010年に伐採し、現在は中庭に“2代目”の若木が成長している。

 会館では1959年ごろ、俳人の高浜虚子が俳句と謡曲の会を開いており、虚子が揮毫(きごう)した会館の表札はいまでも大切に保管されている。解剖学者の養老孟司さんや映画字幕翻訳家の戸田奈津子さんなど各分野の著名人や鎌倉ゆかりの人々を招き、講演会も開いてきた。

 本では「何としても実現したい」と思っていた改築改修完成までの苦労など数々の思い出を丹念に振り返る。溝口さんはこれから運営を担う“後輩”たちや地域の人々に「会館は文化の発信地であり、福祉事業も担ってきた。その灯火(ともしび)を継いでいってほしい」と願いを込めている。

 500部発行し、市内の書店などで販売。1200円(税抜き)。問い合わせは、かまくら春秋社電話0467(25)2864。