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不正防止策で温度差 政活費問題発覚から1年

7/4(火) 5:00配信

北日本新聞

 政務活動費不正による県内議員の「辞職ドミノ」のきっかけとなった矢後肇県議会副議長(当時)の辞職から、今月で1年となる。各議会では、政活費の不正を防ぐため、領収書のインターネット公開、第三者機関による審査、後払い制導入の「三大対策」の取り組みが進む。一方で、こうした取り組みの導入の是非を協議していない議会もあり、温度差がうかがえる。

 領収書のネット公開は、「見られている意識」を高める。政活費を支給していない舟橋を除く県内15議会の現状を議会事務局に尋ねると、12議会がネット公開を決定し、8議会がすでに実施している。

 5月末から公開している魚津は「市民に見せ、適正に活動していると安心してもらう目的もある」という。

 立山、小矢部は協議中。立山は、会派代表懇談会で「個人情報保護で黒塗りばかりの領収書を公開することに意味があるのか」といった慎重意見も出され、今後は3月に設けた議会改革特別委員会で話し合う見込みだ。

 外部の目で政活費の使い方が適切か審査する第三者機関の設置は、支給額が比較的高い県、富山、高岡が実施した一方、見送った議会も多い。

 ネックとなったのは費用の問題だ。例えば富山の場合、業務委託料は7月~来年3月の契約で約370万円。負担は決して軽くない。議員1人当たりの政活費支給額が月3万円の滑川は「設置にはコストがかかる。議員が使い道をきちんと説明できれば第三者機関は必要ない」、月5万円の射水も「謝礼をひねり出すにもウエートが大きい。領収書のネット公開で、市民のチェックも入る」と言う。

 前払い制による「使い切り意識」を防ぐため、射水と入善は4月、後払い制を導入した。富山は、会派に前払いして個人は第三者機関による審査後にしか受領できない「実質後払い制」を取り入れた。

 「三大対策」を全て取り入れた議会はなく、南砺は全ての導入を見送った。南砺は会派のルール上、3人以上での視察研修や講師を招いての勉強会を行った場合にしか政活費を充てられず「疑われるような使い方はできない」というのが理由。透明性の確保に向けては、支出内訳表や視察研修報告書をネット公開し、領収書は窓口で簡単に閲覧できるようにした。

 「三大対策」のうち、第三者機関の設置や後払い制の導入については協議すらしていない議会もある。不正のない開かれた議会の実現に向けた意識の差が表れている。


■県・氷見がネット公開スタート
 県議会と氷見市議会は3日、2016年度分の政務活動費の領収書と収支報告書をインターネットで公開した。

 一連の政活費不正を受けた議会改革の一環。それぞれ、議員が政活費を使った際の領収書や明細書、視察の報告書などをホームページに掲載した。県議会は議員別の会計帳簿も見ることができる。

 同日、富山市議会は16年度分の領収書の閲覧を開始した。市役所議会棟6階の議会事務局で申込書に名前と住所を記入すれば、7階の閲覧室でチェックできる。

 収支報告書は6月からネットと閲覧室で公開している。領収書は年内にネットに掲載する予定。

北日本新聞社

最終更新:7/4(火) 5:00
北日本新聞