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沖縄でじわり広まる「ヨーガ」 瞑想で前向き思考、集中力向上 医療・学校導入の動き

7/4(火) 6:00配信

沖縄タイムス

 病気や依存症、障がい者の心身のケア、スポーツ競技者のトレーニングなどにヨガ(ヨーガ)を取り入れる動きが広がっている。瞑想(めいそう)や体操を通して体をリラックスさせることで、症状の緩和や前向きな思考への転換、集中力の高まりなどを実感する声が寄せられている。専任講師として県内の医療機関や福祉施設、学校の部活動などで活動の場を増やしている日本ヨーガ療法学会の「認定ヨーガ療法士」を取材した。(学芸部・座安あきの)

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 「吐く息と体の動きを合わせて」「目を閉じて自然な呼吸を感じます」

 15日に訪れた宜野湾市内の公民館。講師の声に合わせ、16人の受講者がゆったりと体を動かす。講師を務めるのはヨーガ療法士の玉城志保さん(48)。2014年6月から、他の2人の療法士と共に薬物依存症の回復施設「沖縄ダルク」の入所者向けに週1回の講座を担当している。

 受講前後の脈拍の変化を記録し、体操中も体調を気遣い声を掛ける。玉城さんは「受講者の多くが病気や不調を抱えている。呼吸や体内の状態に意識を向けることに集中し、瞑想でポジティブなことをイメージしてもらう。体に負担にならない動きを心掛けることが大切」と話す。受講者の30代の女性は「普段から呼吸法を意識するようになり、リラックスできるようになった」と笑顔をみせた。

 八重山高校陸上競技部はヨーガ療法士の安達暁美さん(54)を講師に週1回、ヨガの時間を設けている。やり投げ選手の入嵩西晴仁さん(17)は「瞑想では大会でいい結果が出せるイメージをし、寝る前の習慣にもなった。競技前には緊張が和らいで、チーム全体でも上位に入れるようになった」と話す。

 今月あった全九州高校総体南九州陸上では同部員14人のうち10人が自己ベストを出した。顧問の大江隆喜(45)さんは「これまでは大きな大会で萎縮してしまう場面が多かったが、闘えるようになってきた。競技直前に高ぶって抑えきれなかった緊張を緩め、集中力を高められるのはヨガの効果だと思う」と太鼓判を押す。

 03年設立の日本ヨーガ療法学会は、5千年の歴史があるインドの伝統的なヨガを一般の人や疾患をもつ人でも安全にできるように改良。九州大学医学部や日本統合医療学会などと連携し、生活習慣病やストレス性の疾患予防など医学的な観点から効能を検証をしている。

 同学会認定のヨーガ療法士は現在、県内に34人。3年間の履修課程の中ではヨガの技法だけでなく、医学や心理学の専門的知識も学ぶ。個別の疾患や症状に応じた療法を実践し、その効果をはかる実習を積み重ねて、資格取得を目指す。

 ヨーガ療法士会沖縄の幹事長を務める安達さんは「資格取得後も緩和ケアや摂食障害、心身症など、それぞれの対応法を学び続けている。沖縄でも療法士を増やして病院や施設などでの導入を広め、利用者の心身の健康改善の手助けをしていきたい」と話した。

最終更新:7/4(火) 6:00
沖縄タイムス