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日本初の「ボタニカル・ブランデー」づくり始まる! 閉園した薬草園を蒸留所に/千葉

7/4(火) 18:17配信

Webマガジン コロカル

コロカルニュースvol.2128

薬草園の跡地に日本初の「ボタニカル・ブランデー」の蒸留所をつくる ――そんなプロジェクトの資金を募るクラウドファンディングがスタートしました!

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ボタニカル・ブランデーとは、ヨーロッパでは「オー・ド・ヴィー」とも呼ばれる、フルーツやハーブからつくられる蒸留酒。梨やぶどう、ベリーなどの果物を発酵させ、複数回蒸留することでできます。ジンやウォッカよりもずっと繊細で、フルーツの芳香が立ち上がるお酒なのだとか。

このプロジェクトでは、多彩なボタニカルと高い蒸留技術を生かし、さまざまな分野のプロフェッショナルとのコラボレーションによって、蒸留の可能性を広げていくそう。これは楽しみですね!

プロジェクトの代表は、東京・表参道のブックショップ〈UTRECHT(ユトレヒト)〉をオープンさせ、日本を代表するアートブックフェア〈THE TOKYO ART BOOK FAIR〉を企画・開催してきた江口宏志さん。

さらにプロジェクトには〈WAT〉代表取締役の石渡康嗣さん、〈コエドブルワリー〉代表の朝霧重治さん、〈GRAND ROYAL green〉代表の井上隆太郎さん、〈中山英之建築設計事務所〉代表の中山英之さん、〈TAKAIYAMA〉代表の山野英之さん、アート・ディレクターの谷戸正樹さんら、各分野のプロフェッショナルがコラボレーターとして関わります。

一体このプロジェクト、どんないきさつで始まったのでしょうか?

江口さんが東京を離れ外国に住み始めたらしい……そんな話を聞いたのは、いまから2年ほど前のこと。そのころ江口さんは、南ドイツにあるオー・ド・ヴィの蒸留所〈スティーレミューレ(Stahlemühle)〉社で修行をしていたようです。

江口さんがボタニカル・ブランデーに魅了されるきっかけになったのは、ドイツの出版社〈Revolver〉の元代表、クリストフ・ケラーさんが手がけたボタニカルジン。その「Monkey 47」というお酒を口にしたとき、「これまでのジンのイメージを裏切る、ハーブやスパイスの香り豊かな味わいにすっかりやられてしまった」のだといいます。

元々ケラーさんの本づくりにも魅力を感じていた江口さんは、ケラーさんが営むスティーレミューレ社で修行をしようと決心。2015年にUTRECHT、THE TOKYO ART BOOK FAIRを辞してドイツへ渡り、修行を始めました。なんとも驚かされる転身です。

「そこでは、ドイツの豊かな自然環境の元、18世紀後半に建てられた農家屋を改装した蒸留所で、少人数ながら、収穫から加工、醸造、蒸留といった蒸留酒作りの一連の流れを、とても手をかけたやり方で作っていました。

伝統的にこの場所で穫れる梨やぶどう、りんごなどは自分たちで栽培するだけではく、提携農場や果樹園で収穫したり、時には山に入って自然に生えているものを使うこともあります。できるだけ自然に近いものを使うほうが、より豊かな味わいが引き出せるというのが彼の考え方だからです」(江口さん)

「また、シチリアのブラッドオレンジやウチワサボテン、ピエモンテのヘーゼルナッツなど、これまで蒸留酒で使われることのなかった材料を積極的に用いて蒸留酒づくりを行うのも彼の特徴です。 修行中は、毎日色々なところへ収穫へ行き、その日に獲ったものをその日のうちに加工するという毎日を過ごしました。 収穫するタイミング、加工の正確さ、そして適切な醸造、そして最後に蒸留。手はかかりますが、その分隅々まで目の行き届いたものづくりを行っています。

全ては果物や植物の魅力を純度高く、香り豊かに引き出したいという彼の考えの元、これまでに作られた銘柄は200種類以上。ボトルやラベルのデザインも自ら手がけ、その高い完成度は“グラスの中のアート”と評されるほどです」(江口さん)

「2015年には、ドイツ南部エルマウで開かれたG7エルマウ・サミットで、スティーレミューレ社が作るフルーツブランデーが各国首脳へのお土産品に選定されました。 こうしてスティーレミューレで修行をする中で、日本の優れた果樹や植物から蒸留酒を作ってみたいと思うようになりました」(江口さん)

■全国をめぐって辿り着いた、千葉の薬草園跡地

スティーレミューレで修行後、「日本のフルーツや植物から蒸留酒をつくりたい」という思いで帰国した江口さんは、スティーレミューレ製品の輸入・販売を行いながら、蒸留所をつくる場所を探して全国をまわり、千葉県大多喜町にある薬草園跡地とめぐり会いました。

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