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ネットで話題の質屋アプリ「CASH」、リリース翌日にサービス停止した理由とは

7/5(水) 6:20配信

ZUU online

ネット上で話題になった質屋アプリ「CASH」。自分が保有する服やスマホの情報を入力して写真を送れば、すぐに査定され、現金が支払われるサービスだった。6月28日にリリースされたが、利用者数が想定を大幅に上回り、翌29日にはサービス停止になってしまった。目新しいサービスに利用者が殺到した事が原因だが、サービス自体の問題点も挙げられている。ネットでは話題になったが、詳しく知らないという人も多いだろう。経緯をおさらいしておく。

■必要なキャッシュをいつでも、どこでも、瞬間的に

「CASH」のキャッチコピーは「必要なキャッシュをいつでも、どこでも、瞬間的に」と付けられている。その言葉通り、自分の持ち物をアプリを通じて査定し、すぐに現金を受け取る事が出来る。オンライン質屋と呼ぶべきサービスである。

アプリ上で査定したい品物の情報を入力し、写真と併せて送信する。すると、すぐに査定額が表示されるので、キャッシュに替えるかどうかを選択する。キャッシュに替えた場合は、銀行振込かコンビニ受け取りにより、すぐに手元に入る事となる。利用者は2カ月以内に返金するか、登録した品物を手放す事により取引が完了する。

「CASH」の特徴は与信のいらない小口融資の役割を担っているところである。通常、融資を行う場合は与信審査が必要となるが、同サービスは携帯番号認証を行うのみであり、基本的には身分証明書の提示も必要無い。同サービスは質屋と同様に品物を担保にする事で、その手間を省いているのである。査定額の上限は2万円となっており、高額商品を担保にしても、受け取れる金額は限られる。また、どんなものでも担保となるわけでは無く、スマホや服、装飾品等、中古マーケットが整っている物に限られる。

キャッシュを返す場合には、受け取ったキャッシュに加え、15%の返金手数料が発生する。商品を送る場合は、手数料は掛からず、自宅まで集荷する。

■サービス開始1日足らずでキャッシュ総額は3億6630万円

目新しいサービスが注目された「CASH」は、6月28日にリリースされた。しかし、リリース後に更なる話題を呼ぶ事となった。リリース翌日の29日に査定サービスの停止が発表されたのである。

理由は単純で、利用者数が想定を大幅に上回った事が原因である。リリースからサービス停止までの16時間30分あまりで、キャッシュ化されたアイテム数は7万2000点に上り、キャッシュ総額は3億6630万円となった。また、キャッシュ化されたアイテムの約1割は早々にキャッシュを返さないと選択されている。

「CASH」の運営会社であるバンクは資本金600万円、従業員数5人と非常に小規模なスタートアップである。査定やアイテムの集配に手が回らなくなったという。

査定サービスは停止したままであり、現在はキャッシュの引出しのみが行える状況となっている。今後、体制を見直して、サービスの完全再開を目指すとしているが、時期は未定となっている。

また、ビジネスの肝となる商品の査定についても、登録した情報と異なる写真を送っても査定が行われるとネット上で話題になった。2カ月後の返済期日を迎える際に、利用者が適当な情報で受け取ったキャッシュの回収を滞りなく行えるのかという懸念が残る。

■小口資金重要向けサービスはビジネスとして成り立つのか?

「CASH」は数千から数万円という小口の資金需要を満たす為のサービスとなる。与信審査も行わず、利用者は非常に簡単にお金が手元に入る。少額の資金需要はフリマアプリ「メルカリ」の爆発的なヒットに表れており、「CASH」はメルカリよりも手軽で早いという点が売りとなる。

一方で、与信審査を行わない同サービスには貸し倒れのリスクが付いて回る。査定上限額を設けている事で、貸し倒れのリスクを限定はしているものの、バンクの光本社長も「性善説に基づくビジネス」であると話す。「CASH」の利用者は当初の想定を大きく超えており、今後ビジネスとして利益を上げていけるのかは未知数である。

運営会社のバンクは小口の資金需要に応えるサービスの第二弾として、7月に給料前借アプリの「Payday」のリリースを予定している。新しい市場への参入意欲を強めるバンクであるが、問題はまだ多く残されていそうだ。(ZUU online編集部)

最終更新:7/5(水) 6:20
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