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2016年度「リフォーム・リニューアル工事受注高」3割増に

7/5(水) 6:50配信

ZUU online

国土交通省の調べで2016年度のリフォーム・リニューアル工事費受注高が前年比で約31.6%も上昇したと発表された。そのうち住宅については約37.6%の増加率である。2010年度から建設業許可業者5000に対し調査を実施し、結果を取りまとめたもの。リフォームやリノベーションが人気を集めているが数字的にみてもその結果は明確のようだ。背景や今後のリノベーション市場を検証してみる。

■始まりは2012年問題

団塊世代の多くが65歳になり退職を迎えた年は「2012年問題」と呼ばれた。全人口のうち実に25%が65歳以上の年齢層に達したという本格的に高齢化社会に突入した時期でもある。そして彼らの退職金の使い道にも注目が集まった。使い道を調べた調査では34%前後の人達が住み替えやリフォームにより「住まいをなんとかしたい」と考えていた。後を継ぐ者がいない夫婦などは二人で趣味や余生を快適に過ごせるために、サラリーマン時代に購入した家をなんとかしたいと考えた人が多い。同時にこの頃から徐々に不動産価格も上昇していったため、住み替えを断念し、自身の予算内でリフォームやリノベーションを選択した世帯が増えたのだ。

団塊世代が我が家のリフォーム費用を退職金の使い道にしたことがきっかけとなり、リフォーム業界が長年抱えていた問題に新たな動きが始まったのである。

■割に合わないと言われたリフォーム受注

高度経済成長期から以降、日本は長い間「新築主義」が根付いた。30年くらいの周期で建て替えてしまう「スクラップ&ビルド」を繰り返してきたのである。しかし近年、環境問題への関心はどんどん高くなってきている。そこへ団塊世代のリフォーム選択。建て替えではなく「経済的で快適なリフォームでの住まいづくりを」と人々の関心が移行していったと考えられる。

リフォームは新築と比較すると工事単価があまり高くない。その割に作業は面倒で新築よりも経験が必要だ。各業者があえてやりたがらない工事でもあった。そんな理由もあり新築が利益20%平均と言われる中、リフォーム費には利益が35%から40%は乗せられていいたのが普通であったという。見積書をみれば「一式」というようなひとくくりの項目での表示も珍しくなかった。しかし前述したように不動産価格の上昇と住まいを変えたい世代の増加し、さらにはリフォーム事例を紹介するテレビ番組も人気を集め始めた。一般消費者の「脱新築至上主義」の意向に応えるべくしてリフォーム業務に力を入れる業者が増えていったと見ていい。

■空き家を収益物件にするリフォーム

住まいのためのリフォーム技術の向上は近年の不動産投資家にも注目されていった。長年放置された空き家や空室を購入し、リーズナブルかつデザイナー的アイディアを取り入れた物件に仕上げ、安定した賃貸物件へと再生する投資である。今までのリフォーム業界では取り合ってもらえなかったような技術とアイディアを投資家と新規参入業社で練りだし、高い利回りをはじき出す物件へと変える。

廃墟となった社員寮やアパートを大型シェアハウス向けに大規模リノベーションする会社も登場した。どの物件を見てもその「ビフォーアフター」が信じられないくらいの変化を遂げている。比較的便利な立地にあり、取り壊し費用が懸念され放置されていた物件が見事に生まれ変わっている。

冒頭で紹介した国土交通省の調査実施もストック建築物の有効活用が必須だという考えからきている。旧耐震の建物に耐震性を持たせることや放置される空き家問題へ、このリフォーム市場の流れを健全に織り込ませ、発展させていく意向である。昨今では誰でもネットなどで、建築資材が購入でき、施主持ち込みという工事が行われるくらいの時代だ。原価をあえてクリアにし、技術施行力の高いリフォーム業者が今後益々高いニーズを受けるだろう。(片岡美穂、行政書士、元土地家屋調査士)

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最終更新:7/5(水) 6:50
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