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谷島屋 静岡駅ビルへ 営業93年、静岡・呉服町唯一の単独書店

7/5(水) 8:02配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 書籍販売の谷島屋(浜松市中区)は静岡市葵区の繁華街、呉服町通りで唯一の単独店舗書店の「谷島屋呉服町本店」を7月末で閉じ、9月に静岡駅ビルパルシェに新店をオープンする。総合書店が複合施設への入居で新たな展開を見せる中、同社も「駅ビルへの出店で、より広い客層を呼び込みたい」と、93年間店を守ってきた呉服町からの移転を前向きに捉える。

 1872年創業の同社は、1924年に呉服町へ進出。場所を移しながらも同町に店を構えてきた。移転は現在の店舗にエレベーターがなく、通路も狭いことなどから、客の利便性も考えて決断した。

 新店舗はパルシェ5階に構え、売り場面積約560平方メートル、在庫冊数約10万冊と、現在と同規模を維持する。若い世代の客層が増えることを見込み、表紙を見せる陳列を多用してイメージを刷新する。

 海野正浩静岡営業部長(49)は「これまでの客層も大切にしながら、より若い世代に書店で本と出合う楽しみを伝えたい」と狙いを語る。呉服町本店にある静岡本部は、流通通り店に移す。

 呉服町通りなど同市中心部では、2002年に吉見書店、11年に江崎書店が本社機能を残した上で店舗を閉めた一方、複合施設への出店も相次いだ。11年開業の新静岡セノバにはMARUZEN&ジュンク堂書店、14年にはTSUTAYAすみや静岡本店が呉服町タワーに入り、競争が激化している。

 10年に市美術館やオフィスがある葵タワーに入った戸田書店静岡本店の井谷晋弥店長(36)は、「美術館との連携企画や、オフィスで働く人向けのビジネス書を充実させたことが売り上げにプラスになった」と複合施設への入居効果を語る。



 ■ビル会社、保存の可能性探る シンボル・谷内六郎のモザイク壁画

 谷島屋呉服町本店(静岡市葵区)のシンボルが、画家谷内六郎(1921~81年)のモザイク壁画。店舗ビルの所有会社は「貴重な壁画」として、保存の可能性を探る。

 壁画は「西洋館の思い出」と題され、78年に同店の改装記念として新潮社から贈られた。68年の週刊新潮の表紙絵を基に谷内がレンガ造りの洋館の窓から、子どもが顔をのぞかせる原画を描いた。

 ビルの所有会社は「後継テナントの業種にもよるが、できるだけ残すよう考えたい」としている。

静岡新聞社