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[市況]若年者獲得を狙うAbemaTV、その戦略は効いているのか?

7/5(水) 20:00配信

BCN

[市況]若年者獲得を狙うAbemaTV、その戦略は効いているのか?

若年層のAbemaTV視聴ジャンル

 インターネットテレビ放送局として現在最も注目を集めている「AbemaTV」。ニュースはもとより、CS放送顔負けの多彩な専門チャンネル群が無料で楽しめるとあって人気を呼んでいる。中でも充実しているのが5つのチャンネルで展開するアニメだ。しかし、昨年4月の開局から1年以上経過した現在でも、視聴実態はあまり明らかになっていない。特にアニメと親和性の高い若年層の視聴行動はほとんど把握できていない、というのが実態だ。そこでBCNでは6月、13~20歳までに絞った若年層2255名を対象に、動画視聴に関するアンケートを実施。AbemaTVの視聴実態を中心に、若い世代がどのように映像サービス・コンテンツを視聴しているのかを調査した。

●現代の若年層が好きな番組・映像コンテンツの傾向とは

 まず、映像の視聴形態を、地上波テレビ放送やVODサービスなどの9つに分類し、そのなかで視聴しているものを聞いた。高い比率となったのが「地上波テレビ放送」(75.6%)と、Youtube・ニコニコ動画などが該当する「動画共有サイト」(68.0%)の2つ。これらに次ぐ「レンタルしたブルーレイ・DVD」は3割程度にとどまり、上位2つとの差は大きい。また、地上波テレビ放送視聴者のうち、76.0%は「ほぼ毎日」見ていると回答。テレビ離れが進んでいるといわれるなか、いまだ若い人たちにとっても重要な視聴形態といえる。

 では、若年層が好むテレビ番組や映像コンテンツは、具体的にどのようなものが多いのか。自由記述でキーワードを挙げてもらったところ、「世界の果てまでイッテQ!」がトップ。テレビ番組では「月曜から夜更かし」「アメトーーク!」という声も多く、バラエティ番組の人気が高いことが分かる。そのほか、ジャンルとしては「アニメ」や「ドラマ」、インターネット動画サービスでは「Youtube」が目立つ結果となった。

●動画サービスでは、開局1年余りの「AbemaTV」が利用率ベスト5入り

 若い世代に利用者が多いといわれる、インターネット動画について、各サービスの認知と利用状況を質問した。トップ10を並べたところ、「Youtube」と「ニコニコ動画」が認知・利用率のそれぞれで1位と2位になった。どちらにも共通しているのが、動画を他人と共有することができる点と、基本は無料で利用できる点だ。全体としては、利用率の上位を占めるのは無料で視聴できるサービスが多く、若年層の動画視聴には無料であることが利用するうえでの大きな要素であることが伺える。

 また、利用している動画サービスの上位は、10年以上前にスタートしたものが多いが、「AbemaTV」や「LINE LIVE」などの新しいサービスもランクインしている。特に「AbemaTV」は開局してから、1年余りにもかかわらず利用率で5位、認知率でも7位となっている。これは新しいサービスのなかでも、若年層に注目を集めているためといえるだろう。

●総合満足度が92.1%、コンテンツは質・量ともに高い評価

 AbemaTVの人気ぶりは利用上の評価にも現れており、「満足」と「やや満足」を合算した比率を利用者の満足度とすると、8つの項目すべてで60%以上、全体では92.1%の満足度となっている。項目別にみると、特にコンテンツは質・量ともに高い評価。ニュースやバラエティ、スポーツなどを含む、多彩なジャンルを約25チャンネルほど揃えるなかで、若者の需要にあった番組を提供できていることが、奏功しているようだ。

●「アニメ」と「無料」がキーワード

 高い評価を受けるAbemaTVのコンテンツだが、そのなかで若年層に突出して人気なのがアニメである。ジャンルごとの視聴している比率では、「【アニメ】アニメ24、新作TVアニメ など」が65.7%でトップ。これに続くのは、AbemaTVのAbemaSPECIALチャンネルのオリジナル番組で、利用率は2割程度となっている。AbemaTVで見ている具体的な番組名でも、アニメ関連の回答が中心で、特に「クレヨンしんちゃん」や「ドラえもん」、「あたしンち」といった、ファミリー向けアニメを観ている人が多いほか、オリジナル番組では「AbemaNews」と「GENERATIONS高校TV」、「オオカミくんには騙されない」が人気を集めている。

 また、AbemaTVを利用する理由では「アニメ番組が多いから」が43.3%と、アニメはサービスを利用するうえで、大きな要素だと分かる。しかし、それ以上に「無料で見ることができるから」が60.1%と、対価を必要としないことがポイントとなっているようだ。

 動画のみならず、さまざまな娯楽やサービスに溢れている現代では、できるだけお金をかけずに、便利なものをたくさん使いたいと思う人は多い。それは自由に使えるお金が限られる、中学生や高校生などの若い人たちには、よりあてはまるだろう。これらの結果を踏まえると、若年層の映像視聴では、有料コンテンツよりも、無料サービスのなかで、見ることができるコンテンツを選ぶ、という傾向が強いといえる。そして、そのニーズに近いものがAbemaTVであり、唯一無二の新興サービスとして、今後さらに若年層から支持される可能性は高い。

最終更新:7/5(水) 20:00
BCN