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子供の貧困率が12年ぶりに改善、その理由は?

7/6(木) 8:10配信

THE PAGE

 経済的に厳しい状況で暮らす子供の割合が少しだけ改善しました。平均的な所得の半分を下回る世帯で暮らす子供の割合を示す「子供の貧困率」が12年ぶりに低下しました。ただ、先進各国と比較すると日本の水準はかなり低く、さらなる改善が必要な状況に変わりはありません。

 厚生労働省が6月に公表した「国民生活基礎調査」によると、2015年における子供の貧困率は13.9%と前回(2012年)よりも2.4ポイント改善しました。子供の貧困率が改善するのは12年ぶりのことです。子供の貧困率は、平均的な所得の半分を下回る世帯で暮らす17歳以下の子供の割合を示したもので、一般的な相対的貧困率を子供に適用したものです。

 相対的貧困率については一部から現状を的確に表わしていないといった批判がありますが、総合的に見て、貧困の状況をもっとも適切に評価できる指標であり、その有効性はほぼ確立しているといって差し支えありません。

 子供の貧困率が上昇する最大の原因は、シングルマザーの雇用環境と考えられますが、今回の調査では子供がいる現役世帯のうち、大人一人の世帯における貧困率が54.6%から50.8%に大きく改善しました。大人一人の世帯の多くはシングルマザーと考えられますから、結果的に子供の貧困状況も改善したわけです。

 しかし諸外国との比較という点ではまだまだ不十分です。欧州各国の子供の貧困率はほとんどが10%以下となっており、日本とはかなり開きがあります。先進主要国の中で、日本よりも貧困率が高いのは、苛烈な弱肉強食社会である米国などごく一部に過ぎないというのが現実です。

 また日本の場合、シングルマザー世帯の中で、仕事がある人とない人の間で貧困率が大きく変わらないという不思議な現象が見られます。最低賃金の制度があるにもかかわらず、仕事を持っている人と持っていない人で貧困率が変わらないということは、労働法制に違反した賃金が横行している可能性が推察されます。

 今回、シングルマザー世帯の貧困率が改善したのも、働き方改革などによって、違法な労働がクローズアップされたことで雇用主が賃金を支払ったことが大きく影響しているかもしれません。貧困層に向けた支援を拡充するのはもちろんのことですが、払うべき賃金をしっかりと支払うだけで、こうした貧困はかなりの部分が改善できる可能性もあるわけです。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:7/12(水) 6:15
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