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価値を新たに創造する「リノベーション不動産投資」のメリット・デメリット

7/5(水) 17:30配信

ZUU online

「首都圏の不動産価格は融資締め付けが始まっている」(https://zuuonline.com/archives/143927)という旨の記事を執筆したが、その後このアクションは全国に拡大し、首都圏だけでなく名古屋・大阪・京都・福岡といった地方都市にも波及している。

通常の「賃貸不動産投資」は価格が高騰し利回りが低迷するだけでなく、こういった資金面での締め付けも発生しているということもあり、水面下では不動産投資家の「リノベーション方面へのシフト」が進んでいる。

■リノベーション投資の基本は「価値創造」

リノベーション投資とは設備の老朽化などにより入居が入らなくなった物件に修繕、リフォームを行い、新たな「価値」を付加することで物件評価価格および家賃を上昇させ、投資効率を上昇させるという方法だ。

マンションなどの場合、ドアの付け替えや証明光度の上昇などといったワンポイントでイメージを上昇させる方法から、2K物件を1LDKなどの人気有る間取りに変更するといった方法や、15-20平方メートルほどの風呂・トイレ兼用の部屋2つをぶち抜き形式で1つにするといった方法など多岐にわたる。

またオフィスビルや宿泊施設への転用や、コインランドリーといった設備設置施設に改造するという選択肢もある。

手法はさまざまであるが、こういった方法でテコ入れを行い、「市場評価」を見直させる案件に仕立てることで、物件高騰している状況下でも収益を追及することが可能となる。

■ リノベーション投資の3つのメリット

リノベーション投資には通常の不動産投資にはないメリットがいくつかある。

1つ目が「減価償却による節税効果」。リフォームによって設置した設備などは、国税庁が制定している「法廷耐用年数」にのっとり経費として計上することができ、大きな節税効果がある。

通常の不動産投資においても建物部分はこの減価償却効果が得られるが、リノベーションを行った場合はさらに「節税経費」が積み増しできるため、長期的な投資効率が上がる。

2つ目が「融資の多様化」。小規模な不動産投資家、特にサラリーマン投資家などの場合、不動産取得に活用できるローンは金利が高い「アパートローン」「マンション提携ローン」などがほとんどである。だがリノベーション投資にシフトした場合、これら以外にも「リフォームローン」や、規模によっては「事業ローン」などの選択肢が増えるため、プランニングによっては資金を調達しやすくなるというメリットがある。

そして最後に「スプレッドの拡大」だ。不動産投資の利益は「家賃」から「融資返済などの固定費」を差し引いた差がこれに該当し、この差を「スプレッド」と呼ぶ。

現在の首都圏の場合、新築区分マンションが利回り3%台中盤、それに対しサラリーマン向けのアパートローンなどが1%台後半となっており、空室などを加味するととてもではないがやっていけない状況だ。

だがリノベーション投資の場合、手が入っていない物件を取得するという関係上、表面的な利回りは高く、さらにそれをリフォームによって価値を上昇させるため、自分自身の意思とプランニングで利益幅を上昇させることができる、という利点がある。

■ リノベーション投資のデメリット

一方で、デメリットが存在することも否めない。もっともハードルとなるのは「投資家自身の企画能力」だ。

問題ある物件を購入してきて、付加価値をつけることで収益を上昇させるという手法の形式上、「こうすればよい物件になる」という試行・思索能力は必須といえる。

リノベーションを行うという関係上、リフォーム費用を出費することになるため、この目論見が失敗すると、損失が広がってしまうという恐れがある。

また企画の方向性によって必要となる知識形態が異なり、専門性を求められるというデメリットもある。

たとえば一口にリノベーション投資といっても、「リノベーションして売却し、キャピタルゲインを狙う」という方向なのか、それとも「賃貸がつくようにし、インカムゲインを得る」のが目的なのかによって、重視するポイントや手を入れるポイントが変化する。

もっとも裏を返せばこういった「ある程度の知識と企画能力」が求められる案件だからこそ、不動産市場全体が高騰している中でも利益がでる案件を作り出せる、というメリットの裏返しであるともいえる。

■ 投資の原則は「ノーフリーランチ」

本格的な手法や運営については長くなるため言及しないが、不動産投資に限らず運用に関して言えるのは「ノーフリーランチ(ただ飯はない)」という投資業界の格言を忘れないようにするということが大切である、ということだ。

価格が高騰している中、ディベロッパーや販社の営業マンから「頭金ゼロで資産がもてます!」などの甘い言葉で契約してしまう方は後をたたない。

こういった話を聞いたときは「うまい話はない。大きな利益を上げるためには、他人便りでなく自分自身で価値を作り出す必要がある」ということを思い出してもらいたい。その上で、今回軽く触れた「リノベーション投資」を本気で学習・実行する気があるならば、高騰している不動産市場でも、収益を上げるチャンスはまだまだ転がっている。むしろ、営業マンに物件をはめ込まれてしまった投資家が経済的事情により投売りする物件も今後増えてくると思われるので、チャンスは増える可能性が高い。

今後も冷静な視点を見失わず、収益を上げるチャンスを逃さないよう、綿密に備えをしていきたい。(土居亮規、AFP バタフライファイナンシャルパートナーズ)

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最終更新:7/5(水) 17:30
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