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正しく歯を守るなら歯ブラシと歯磨き剤は使わなくていい

7/5(水) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 歯を守るために必要不可欠な道具は? 「意外に正しい情報が伝わっていない」と言うのは、夫との共著で「やっぱり、歯はみがいてはいけない 実践編」を刊行した歯科衛生士の森光恵さんだ。

■「食べかす取り」より「歯垢取り」

 夫の森昭院長と共に「竹屋町森歯科クリニック」(京都・舞鶴)で多くの口腔内を診てきた森さんは、2005年にクリニックの横にオープンした歯科専門雑貨店の店長を務めている。歯科衛生士、そして店長として、乳児から高齢者まで年代別ケアの方法、ふさわしい道具、使い方などの情報を提供してきた。

 森さんによれば、口腔ケアの最重要道具はデンタルフロスだという。

 歯磨きの本当の目的は「食べかす取り」ではなく「歯と歯の間」と「歯の付け根」にたまりやすい歯垢を取ること。歯垢は飲食後24時間ででき、唾液がコントロールしてくれる。だから、「歯と歯の間」「歯の付け根」に唾液が行き渡りやすいようにしなくてはならない。歯ブラシではその汚れを清掃できない。歯の表面の歯垢は唾液が流してくれるので、それほど気にしなくていい。

「デンタルフロスで歯と歯の間の歯垢を取り、唾液が行き渡りやすいようにする。ただし、重要性を知らずに使っていない人、使い方がわからないという人が多いのです」

■ロールタイプかホルダータイプか

 デンタルフロスには2つのタイプがある。指に巻き付けて使用するロールタイプに対し、ホルダータイプはプラスチックのホルダーに糸がセットされている。

「慣れるまではホルダータイプの方がやりやすいと思います」

■歯の隙間にしっかり入るフロスを使う

 フロスは、さらにいくつか種類があり、「太さ」「唾液で膨らむか否か」「滑りやすさ(ワックスの有無)」を考慮して選びたい。

「怖くて歯の隙間に入れられないという相談をよく受けます。その場合、ワックス付きの細いものから始めるよう提案します。ワックスなしの方が歯垢をからめとる力があるため、慣れてきたらワックスなしのものがよいでしょう」

 ある部分はフロスが入るが、ある部分は入らないという時は、フロスが太いことが考えられる。より細いものを選ぼう。

■詰め物がある場合は上に引き抜かない

 フロスでは「歯の接触点」と「歯の隣接面・歯間歯面」の清掃を行う。30センチほど取り出したフロスを、左右の中指に数回巻き付け、両手でフロスを持って歯と歯との間に歯茎に達するまで慎重に通し、前後と上下に少しだけ動かして汚れをフロスでからめとる。

「フロスを上に引き抜こうとすると、詰め物に引っかかって取れることがあります。片手を離して、フロスを歯の横から引き抜くようにします」

■使用を子供の頃から習慣づける

 親が使っていなければ、その子供もフロスを使おうとは考えないだろう。子供用の小さめで安全性を考慮したフロスが発売されているので、親子で習慣づけよう。

「私の子供は小さい頃から使い慣れているので、食事の間でも『食べ物が挟まったから』とフロスを使用することがあります。“フロスを使うと気持ち良い”と知っているのも大きいでしょう」

■歯を磨いてはいけない

 1日3回、食後すぐの歯磨きに警鐘を鳴らすのは、同クリニックの森昭院長だ。歯垢をコントロールする唾液が洗い流される上、歯ブラシで歯が傷つけられ、研磨剤や発泡剤入りの歯磨き剤がさらに拍車をかける。結果、歯周病や虫歯ができやすくなるばかりか、口腔環境が悪くなり、脳梗塞、心疾患など全身病の原因にもなるという。