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ARで保守を効率化、プログラマブル表示器でスマートデバイスと連携

7/5(水) 9:10配信

MONOist

 フランスのSchneider Electricの日本法人であるシュナイダーエレクトリックは2017年7月4日、産業向け事業への取り組みを発表。従来のプログラマブル表示器をベースとし、新たに拡張現実(AR)対応ソリューション「EcoStruxure Augmented Operator Advisor(略称:シュナイダーARアドバイザー)」を展開することを発表した。

【シュナイダーARアドバイザーのシステム構成の画像など】

●産業IoTで事業拡充を狙うシュナイダーエレクトリック

 Schneider Electricは、日本ではデータセンター向けソリューションで有名だが、グローバルではBEMS(ビルエネルギーマネジメントシステム)などを含めたビル向けのソリューションや、プロセスオートメーションなど制御機器の売上高の大半を占める企業である。そのため、1997年からインターネットを利用しIPベースで機器から情報を取得するIoTのコンセプトに近い製品群を展開。現在では全投入製品の45%がインターネットに接続できるというIoT先進企業である。

 シュナイダーエレクトリックでは従来国内では単品製品では競合関係が厳しくそれほど展開してこなかったが「IoTやスマートファクトリーの動きが活発化し、従来は競争が厳しかった製品ベースの戦いから、ソリューションベースの戦いに移り、勝負できる環境が整ってきた。産業向け製品群も国内で本格展開していく」とシュナイダーエレクトリック インダストリー事業部 バイスプレジデントの勝村友一氏は述べる。

 さらに、買収や資本提携なども通じポートフォリオの拡充が進んできたことなども追い風となっている。産業向けでは、Invensys Process Systemsのプロセス監視制御ソフト「Wonderware」などがある他、プログラマブル表示器で高いシェアを持つデジタルなども一体となって展開する。勝村氏は「シュナイダーエレクトリックとしてのIoTと(デジタルのブランドである)Pro-faceによる現場サイドの状況を組み合わせられるところを強みとして展開していく」と強みを語る。

●ARで保守効率化と人為ミス削減を実現

 シュナイダーエレクトリックが新たに展開するシュナイダーARアドバイザーは、タブレットに映し出されたリアルタイムの映像やデータと仮想オブジェクトを、設備や機器に重ね合わせて映し出せるようにしたものである。

 例えば、それぞれの機器ごとにARのトリガーとなる画像や2次元バーコードを設定。現場でタブレットをかざしカメラの撮影映像に表示されたアイコンをタップするだけで、ユーザーマニュアルや指示書、図面などの数多くのデータを迅速に入手し、作業支援を受けられる。これらにより、保全作業の効率化を実現できる他、人為的ミスを大幅に低減できるとしている。さらに、設備を停止して点検が必要だった電気キャビネットなどの扉を仮想的に開けて内部を確認できるため、設備停止時間を削減することなども実現できるという。

●ポイントとなる異種環境差の吸収

 システム構成は、プログラマブル表示器とサーバ機能を一体化した「Pro-face HMIサーバ」をシステム構成の中心に位置付け、同サーバにAR機能を備えたソフトウェアを実装する形を取る。ARを表示するタブレットは汎用品で対応可能とする。現状ではiOSへの対応のみだが順次Android、Windowsなどにも対応予定。基本的にはアプリをダウンロードするだけで使用可能とする。

 このシステムのポイントとなっているのが、デジタルが抱えているプログラマブル表示器の技術である。工場やプラントなどの製造現場の環境では、さまざまなメーカーの機器やシステムが稼働し、それぞれが連携の取れない“異種システム環境”となっている。スマートファクトリー実現の最大の課題となっているのが、この多種多様な異なる環境からどのようにデータを吸い出しシステム同士の連携を実現するかという点となっている。

 しかし、デジタルでは今までにプラグラマブル表示器を200万台以上導入。プログラマブル表示器はさまざまな機器の稼働状況などをリアルタイムで表示する必要があるため、既に工場内で使われる800のプロトコルに対応している。そのため、さまざまなシステムと既に連携を実現しているのだ。多種多様なユーザー企業の環境差を吸収し、「Pro-face HMIサーバ」を通じて工場内の機器と連携可能である他、さまざまなシステム内のドキュメントやデータを、タブレットで表示することが可能となる。

 シュナイダーエレクトリックではシュナイダーARアドバイザーは「Pro-face HMIサーバ」とエンジニアリングサービスを組み合わせて約200万円から提供。「対象は全産業領域。保全作業の効率化と人為的ミス削減に貢献し、初年度は20社への導入を狙う」(勝村氏)としている。

最終更新:7/5(水) 9:10
MONOist