ここから本文です

白鵬、九重部屋で“けじめ”の出稽古「親方にはかわいがってもらった」…千代の富士1045勝まであと9

7/6(木) 6:04配信

スポーツ報知

 大相撲の横綱・白鵬(32)=宮城野=が5日、昨年7月に61歳で亡くなった元横綱・千代の富士の先代・九重親方が率いた部屋で“けじめ”の出稽古を行った。名古屋場所(9日初日・愛知県体育館)であと11勝に迫った通算最多の1047勝に挑む前に、昭和の大横綱が残した史上2位の1045勝に並び、超える。先人の魂が残る名古屋市東区の部屋宿舎に出向き、稽古で敬意を表現した。

 恩人が率いた部屋で、白鵬は心を整えた。1年前まで同じ稽古場で鋭い視線を飛ばしていた先代九重親方の“気配”を感じながら、関取衆5人に合計11番、胸を出した。「親方にはアドバイスをもらったり、かわいがってもらった。この部屋で汗を流すことは、ひとつ意味があるのかな」。土俵に入るたびに清めの塩をまき、汗をぬぐう際には「九重」と書かれた木札を見つめた。いつもと違う厳粛な雰囲気を漂わせた。

 通算最多の1047勝と同じくらい、その2つ前のハードルにこだわっている。「同じ横綱として、1045勝が(目標として)先だな」。満身創痍(そうい)で白星を重ねた元大関・魁皇(現浅香山親方)の記録とは異なる敬意を抱いている。負ければ引退しかない綱の重圧と闘い、勝ち星を積み上げてきた共感が言葉と行動に見え隠れした。

 お手本でもあった。細身だった若い頃、映像で千代の富士の取り口を研究した。「左前ミツを取っての速い攻めを勉強した。(先代九重親方が)関脇から横綱になる時代に。自分も体が小さかったからね」。盤石の右四つの型より先に覚えたのは、ウルフと呼ばれた勝負師の攻め。横綱になっても数々の助言をもらった。「休まずに汗をかく―。そんなことを言われていたよ」。頂点を極めた力士の言葉は胸に響いた。

 優勝31回の千代の富士は、30歳を過ぎてからの賜杯が19回。現在の自分と同じ年の頃に全盛期を迎えた大横綱の存在は、最高の指標になる。「本当は(存命中に)いっぱい対談をしたかった。お会いした時に長く話すこともあったしね」。未練があるから、もう教えてはもらえない「答え」を求めて九重部屋に足を運んだ。名古屋場所で1045勝に並んだ時、白鵬は自分なりの答えを見つけるはずだ。(網野 大一郎)

最終更新:7/6(木) 6:04
スポーツ報知