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カフェインは我々に翼を授けてくれるのか、それとも翼をもぎ取るのか

7/5(水) 11:18配信

BuzzFeed Japan

急増するカフェイン中毒

カフェイン中毒による救急搬送患者が増えている。埼玉医大の上條吉人教授によれば、2011~2015年度に全国38か所の救急医療機関に搬送されたカフェイン中毒患者は101人にのぼり、そのうち7人が心停止となり、3人が死亡したという。

あの栄養・エナジードリンクには、これだけの砂糖の量が…

「カフェインなんかで死ぬの?」といぶかしく思う人もいるだろうが、これは事実だ。この問題、どう捉えたらいいのだろうか?【寄稿 / 国立精神・神経医療研究センター薬物依存研究部部長・松本俊彦】

すでに2014年には、東京都監察医務院の鈴木秀人医師らの研究グループが、東京都23区内で発生した、カフェイン中毒死22事例に関する報告を行っている。2015年には、福岡県で20代男性がカフェイン中毒で死亡した事件もあった。

救急搬送事例や死亡事例の大半は、眠気覚まし薬として薬局で販売されている、エスタロンモカ錠など錠剤型カフェインの過量摂取によるものだ。とはいえ、少数ながらエナジードリンク摂取による事例もあることは無視できない。

実際、米国では、2012年にモンスター・エナジーを飲用後にカフェイン中毒死が5件発生している。「カフェインの錠剤だけが危ない、エナジードリンクは大丈夫」と安心するわけにはいかない。

上條教授によれば、救急搬送されるカフェイン中毒患者は2013年から急増しているという。奇しくもこの年は、レッドブル社がキリンビバレッジと国内販売ライセンス契約を締結し、自動販売機でのレッドブルの販売が開始された年でもある。翌2014年には、コカ・コーラ社もモンスター・エナジーの販売を開始している。

いささか穿った見方かもしれないが、エナジードリンクの普及が、人々にカフェインの効果を知る機会となり、それが、より強力な効果を求めてカフェイン錠剤を求める者を掘り起こしたきっかけを与えた可能性はないだろうか。

ともあれ、今日、エナジードリンクは、若者たちの生活に浸透している。先日、仕事で東大の本郷キャンパスに出かけた際に偶然立ち寄った生協で、私は度肝を抜かれた。

店内には、さまざまな種類のエナジードリンクが大量に陳列されていたからだ。まるで「エナジードリンク物産展」とでも形容したくなるような光景だった。こんな見事な品揃えは、どこのコンビニでも見たことがない。

そのとき私は、「わが国最高の頭脳を持つ若者たちは、大量のカフェインを摂取しながら、新たな知の領域に挑戦しているのか」などと、妙に感心した記憶がある。

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最終更新:7/5(水) 18:15
BuzzFeed Japan