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凶器の包丁「事件後も使った」 刃体は湾曲 千葉市女性殺害公判

7/5(水) 9:30配信

千葉日報オンライン

 昨年4月、千葉市稲毛区の自宅アパートで契約社員、茅野利奈さん=当時(41)=が腹部を刺されるなどして殺害された事件で、強盗殺人と強盗未遂、窃盗、住居侵入などの罪に問われた元飲食店アルバイト従業員で無職、藤長稜平被告(30)の裁判員裁判の第2回公判は4日、千葉地裁(楡井英夫裁判長)で検察側の被告人質問が行われた。藤長被告は犯行に使用したとされる包丁について「普段から使っている。(茅野さんの)事件後も使った」と述べた。また、極刑などを求めた茅野さんの遺族に対し「申し訳なかったです」と謝罪した。

 検察側が開示した証拠によると、事件後に押収された藤長被告が使用したとされる包丁は刃渡り約15・8センチで、柄の部分から刃体が左に約7度湾曲していた。刃体の湾曲について問われた藤長被告は「(湾曲には)気付かなかった。事件後も使ったが、いつ曲がったか分からない」と述べた。

 前日の初公判で検察側は、茅野さんの父親の供述調書を朗読した。父親は室内で無残な姿となった最愛の娘を見つけ「何度も呼び掛けたが返事がなかった。自然と涙があふれ出てきた。下唇をかみしめているような表情だった。どんなに悔しかっただろう」と、当時を語り「なぜ殺す必要があったのか。藤長(被告)を絶対に許さない。目の前にいたら殺してしまうかもしれません」と吐露。

 「母親と妹は『死刑では軽すぎる。一生刑務所で苦しみを味わってほしい』と願っているが、私は同じ空気を吸いたくない。どうか藤長を極刑にしてください」と、厳罰を求めていた。

 被害者参加人弁護士から、茅野さんに対する思いを問われた藤長被告は「逮捕されるまでは、事件の進ちょく状況を確認したりとどこか人ごとだった。あまり事件自体を考えていなかったが、(茅野さんについては)何でこういうことをしたのかと、自問自答の方が大きかった」。

 初公判で、父親の供述調書に対して「申し訳ない」と述べていた藤長被告。「反省がどういうことなのかを、まず考えている最中。(事件を)忘れないことが反省なのか確証はないが、最低限、まずは忘れず日々過ごすべきだと思う」。遺族に対しては「申し訳なかったですとしか言いようがない」と述べた。