ここから本文です

市議の県外視察報告書、20件超が同一 福井市

7/5(水) 8:28配信

福井新聞ONLINE

 福井市議が2016年度に政務活動費を使って行った県外視察で、20件超の報告書が全文同じだったことが4日、福井新聞の調べで分かった。視察の参加者で意見を集約し、統一見解としてまとめたものを各議員が提出する体裁を取っていた。

 視察報告書は、各議員が政務活動費収支報告書に添付。議会事務局によると、視察報告書の添付は義務付けられておらず、視察を行っても報告書を添付していない場合も多かった。

 保守系最大会派「一真会」の全11人が3月、市東京事務所や農林水産省などを訪れた報告書では、参加した市議の名前を全員分記載し、「以上11名の意見集約」と断りを入れ、質疑応答などを書いており、議員それぞれが同じ報告書を添付している。第2会派の志政会、市民クラブでも、会派の視察で同様の報告書を提出していたものがあった。

 取材に対し複数の議員が「視察後に例会を開いて意見を集約し、参加した議員の思いをまとめたものを出している。決して使い回しではない」と説明。「報告書を書くことが重要なのではなく、議員それぞれが見て聞いて感じたことを本会議の一般質問や、委員会で生かすことが大事。視察内容は議会活動で有効活用している」と述べた。

 福井市会では15年度の政務活動費収支報告書でも、32人中26人が同様の方法で報告書を提出していた。

 政務活動費は議員1人当たり月15万円、年間180万円が交付されている。福井新聞の調べでは、市議32人が2016年度に使った政務活動費は4827万2千円、交付額5760万円に対する執行率は83・8%となった。8人が満額180万円を使い、最低は84万3千円だった。

 ◇政治資金オンブズマン共同代表の上脇博之・神戸学院大法学部教授(憲法学)の話

 まず複数の議員で視察する必要があるのか疑問だ。会派で行くなら、担当する委員会ごとに行き先を分担し、政務活動費は効率的に使うべきだ。仮にさまざまな視点が必要だというなら、事前に誰がどの視点でチェックするかを決めて視察し、報告書も一人一人が書かなければならない。連名でも誰がどの部分を書いたかが分からなければ、一人だけで書くこともあり得る。

福井新聞社