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10年ぶりに体制刷新したIHI、満岡社長に「どう変わるか」聞いてみた

7/5(水) 17:01配信

日刊工業新聞電子版

■「集中」に軸足を移すタイミングにきている

 IHIは収益基盤の強化に向け、新体制へとかじを切った。組織体制を「資源・エネルギー・環境」「社会基盤・海洋」「産業システム・汎用機械」「航空・宇宙・防衛」の4事業領域へと、約10年ぶりに刷新。合わせて満岡次郎社長が最高経営責任者(CEO)を兼務し、陣頭指揮を一本化した。新体制の狙いや戦略などを満岡社長に聞いた。

―新体制への移行でIHIはどう変わりますか。
 「事業領域制の下、体制を変えていく勝負の年だ。2016年までの(主要事業ごとに独立させる)セクター制は、透明性を高めるのが狙いだった。ただ、セクターという枠の中で、それぞれの殻が非常に固くなってしまった。新体制ではグループ連携やリソースの最適化を加速する」

―足元2年はプロセスプラントや海洋構造物事業などの下振れが業績を圧迫しました。回復に向けた対策は。
 「16年度は、受注後の案件で想定外の下振れ要因が顕在化してしまった。このため本年度は『プロジェクトリスクマネジメント部』を新設。プロジェクトの管理、審査、投資審査という三つのグループで構成する。進行中の案件の下振れをいかに抑えるかが使命。実際に現場へ入ってもらい、従業員の生の声などを拾い上げる。早期のリスク把握と対応の迅速化がポイントだ」

―愛知工場を軸とする海洋構造物事業では、生産からの撤退を表明しました。
 「現在建造中のSPBタンク(液化天然ガス〈LNG〉船に搭載するアルミ製タンク)が佳境に入った。完工に向け事務系や総務系を含め、必要なリソースを愛知に投入した。一番重要なのは、完工へのモチベーションをいかにキープするかだ。(完工後は)生産から撤退するが、愛知の従業員一人ひとりが持っているスキルを生かせる形で適材適所に再配置する」

―事業の選択と集中を進めています。
 「成長のためいかにリソースを集中させるかにかかっている。選択と集中では、18年度までの現中期経営計画で検討が必要なものは、ほぼオンスケジュールだ。選択より集中に軸足を移すタイミングに来ている。事業の整理ではなく、前に進むことを重点的に考えている」

―不透明感が漂う原子力事業について、どう考えますか。
 「あらゆる対応をできるようにすべきだ。原子力は日本にきちんと技術者を残し、育てないといけない。当面は仕事をさせていただけるようになっているので、きちんとやっていく」

 懸案だった海洋構造物事業にめどをつけ、17年度は反転攻勢に出る。ここ数年大きく利益貢献してきた航空機エンジン事業は、本年度が底。産業用プラントやボイラなどを手がける資源・エネルギー・環境事業領域の回復が、本年度の業績を左右しそう。進行中の工事リスク低減をどれだけ具現化できるかにかかっている。