ここから本文です

砕いてクランチ、南部せんべいの新境地 「チョコ南部」ヒットの裏側

7/5(水) 15:35配信

デーリー東北新聞社

 南部せんべい製造大手の小松製菓(二戸市、小松豊社長)が手掛け、地域を代表する土産品に定着した「チョコ南部」。砕いた南部せんべいをチョコレートでコーティングしたオリジナル商品で、2009年12月の発売から売り上げは右肩上がり。15年12月には新たなブランド「チョコ南部プレミアム」を立ち上げた。こだわりのカカオを使用するなど南部せんべいの新たな可能性を広げている。

 「どうしたら女性や子どもが南部せんべいを食べてくれるだろうか」。新たな顧客獲得や売り上げ増加を目的にした会議は、07年から始まった。

 「時代に合わない」「購入する年齢層が年配者」「売り上げが横ばい」。これらをクリアすることが最大の課題だった。競合する他社も多く、新たな市場を開拓する必要に迫られていた。会議の末、せんべいを砕く発想と、チョコレートとの融合という答えにたどり着いた。

 試作を重ねた末、せんべいを11ミリの大きさに砕き、ケーキの仕上げなどに使われるクーベルチュールチョコレートを交ぜ合わせたチョコクランチが完成。テレビのコマーシャルも放送し、広報に力を入れたこともあり、初年度の販売実数は予想の10倍以上となる400万粒を達成した。

 この成功をきっかけに、ホワイトチョコを染み込ませたり、地元産の雑穀を使用したり、新たな商品を立て続けに発表した。

 チョコ南部プレミアムは、世界で活躍する二戸市出身のショコラティエ・猿舘英明氏が新商品を監修。3ミリや1ミリ以下に砕いたせんべいと、厳選したブラジル産カカオを使用した新商品を次々と生み出した。

 昨年10月には、商品の製造工程を見学できる「北のチョコレート工場&店舗 2door(ツードア)」がオープンし、商品を生かした地域活性化を展開。今年6月に開かれた、国際味覚審査機構が主催するコンテストで、4商品が高評価の指標となる「星」を獲得し、国際的にも認められた。

 開発に携わってきた営業統括部の青谷耕成部長は「当初は社内でもせんべいを砕くことに否定的な声も多かった」と振り返る。「ただ、伝統は壊さずに守ってきたつもりだ。これからも南部せんべいの持つ可能性を引き出しながら、さまざまな展開を見せたい」と力を込める。

デーリー東北新聞社