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ピザにも善玉菌? プロバイオティクスが人気

7/5(水) 8:47配信

ウォール・ストリート・ジャーナル

 この夏、あなたの食べ物には微生物が増えると思っていい。

 「プロバイオティクス」(人体に良い働きをする生きた微生物)は、これまで主にヨーグルトに含まれるものだと思われていた。女優ジェイミー・リー・カーティスがTVコマーシャルでそう宣伝していた(これは人気コメディー番組サタデー・ナイト・ライブの格好のネタでもあった)。しかし今やシリアルやおやつ、飲料の新製品にも、消化や免疫システムの機能を高める効果をうたったプロバイオティクスが添加される傾向にある。

 ドライフルーツ加工会社マリアニの「プロバイオティック・プルーン」は「培養した活性物質をヨーグルトの10倍効果的に届ける」のが売りだ。ブラッズ・ロー・フーズのケールチップスは「消化器や免疫機能の健康を促進する被膜プロバイオティクス」を添加している。食品調査会社イノバ・マーケット・インサイツによると、米国でプロバイオティクス関連の効果を訴える食品の数は、過去5年でほぼ3倍に増え、既に500を超えた。

 こうした機能を加えるのは、消費者が食品に栄養面のほかに健康上の利点も求めるようになったからだ。「人々はいまや食品が単においしいだけでなく、機能的に作られることを望んでいる」。コロラド州の食品コンサルティング会社スターリング・ライス・グループの料理責任者、エリザベス・モスコウ氏はこう話す。多くの店舗はプロバイオティクスを含む食品を仕入れるが、一部の小売業者は店頭に並べる商品を選別している。他の点では健康に良くない食品がそうした効果でごまかすケースがあると疑うからだ。

 最近登場したタイプのプロバイオティクスは冷蔵の必要がない。胞子を形成するこのタイプは被膜で覆われた細胞構造を生み出すため、プロバイオティクスの保存可能期間が長くなる。それでも、大半のプロバイオティクスは熱や加工処理、空気にさらすことで死滅し、時間とともに劣化することが多い。

 プロバイオティクスを含んだ新しい食品の登場は、胃腸の健康への消費者の関心の高まりや、腸内に善玉菌がいると健康が増進されるという考えが定着してきたことを反映している。消化器官の健康に対するプロバイオティクスの効果は十分立証されている、とネブラスカ大学リンカーン校のロバート・ハトキンス教授(食品科学)は話す。

 ガネデン社は2008年から「ガネデンBC30」と呼ばれる有胞子タイプの乳酸菌を食品・飲料メーカーに販売している。現在では800種類近い食品がBC30を成分に含むことをセールスポイントにしていると、同社のマイク・ブッシュ最高経営責任者(CEO)は言う。

 健康に関するメッセージは十分元が取れると同氏は主張する。企業の側は1食分に3~4セントの費用がかかるが、消費者は1食分に6~8セント上乗せして払う可能性があるからだ。

 サプリメントを摂取する費用と比較すると「最小限の投資ですむ」と同氏は話す。バイエルのプロバイオティクス・サプリ「トゥルーバイオティクス」45日分の価格は約30ドルだ。

 ただ食品科学者の中には懐疑的な向きもある。ヨーグルトに含まれ、より多くの科学調査で立証された乳酸菌やビフィズス菌と比べ、有胞子タイプの微生物は既に多くの商品に含まれるにもかかわらず、研究結果が少ないという。

 国際プロバイオティクス協会は今年初め、サプリメント業界団体である責任栄養協議会と協力し、ラベル表示や安定性試験、安全な保管方法の説明について自主ガイドラインを作成した。2月には同協会の代表者が米食品医薬品局(FDA)の担当者と面会し、自主ガイドラインについて説明した。

 米菓子大手モンデリーズ・インターナショナル傘下のエンジョイ・ライフ・フーズは、マフィンやワッフル、ピザ生地を焼くためのミックス粉(7ドル)にプロバイオティクスを添加している。「消費者は必ずしも健康的でないものを、より健康的にしたいと思っている」と同社の最高販売マーケティング責任者、ジョエル・ワラディー氏は語る。

 カーマ・プロバイオティクスの「ウェルネス・ウオーター」はパッケージにこだわりがある。18オンス(約500グラム)のペットボトル飲料を飲む直前に、粉末プロバイオティクスを中身に注ぐことができるようフタを工夫した。

 ノースカロライナ州の牧師ダン・ジョンソンさん(30)は胃腸の働きを助けるプロバイオティクスを毎日摂取するようにしていると話す。ウェルネス・ウオーターは特にお気に入りだ。「私の抱える問題で確実に役立っている」

By Anne Marie Chaker