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ふるさと納税で神奈川県内の自治体 返礼品が寄付額左右

7/5(水) 12:03配信

カナロコ by 神奈川新聞

 総務省が4日発表したふるさと納税による2016年度の自治体への寄付総額は過去最高の2844億円に上った。制度の浸透には豪華な特産品を贈る自治体間の返礼品競争がある。神奈川新聞社がこのほど実施した県内自治体アンケートでも、返礼品を豊富にそろえるか否かで寄付額が大きく分かれる形となった。専門家は「自治体間で税金の奪い合いがあってはならない」と警鐘を鳴らしている。

 5月から6月にかけて行った本紙のアンケートによると、16年度のふるさと納税の寄付額が最も高かったのは小田原市で、約17億5千万円だった。同市は15年秋に返礼品を導入し、梅や干物、かまぼこといった特産品に加え、ホテルの宿泊プランなどを用意し、寄付額を急激に増やした。

 2位以下は、いずれも温泉地でホテル・旅館の宿泊ギフト券などをそろえる箱根町(5億9682万円)と湯河原町(3億3271万円)が続いた。

 一方、寄付額が最も少なかったのは、返礼品を取り扱っていなかった平塚市で60万円だった。同市は、財源の流出を抑えるため、今年4月から返礼品を導入している。続いて少なかった座間市(65万円)、大和市(237万円)も返礼品を取り扱っていなかった。

 ふるさと納税はもともと都市部の人たちが故郷などの地方を応援するといった趣旨で始まった制度。都市部の県内では、トップだった小田原市も全国上位20自治体に入っておらず、財源が流出する傾向にある。

 返礼品競争の過熱を受けて総務省は4月に返礼品を見直すよう各自治体に通知。同省の求めに応じ、調達費用が寄付金額の3割を超える返礼品や「趣旨に反するような返礼品」を取りやめた場合、今後の寄付収入はどうなるのか。

 横須賀市は「3割超の取扱品目はわずか。超過している割合も少ない」、三浦市は「対象となる返礼品はごく一部のため、影響はない」と大きな増減を見込んでいない。一方で、厚木市は「人気の高い返礼品が多く該当している」、秦野市は「3割に抑えることでお得感が薄れる」とし、寄付収入の減少を心配する。

 慶応大学経済学部の土居丈朗教授(財政学)は、見直しを求める総務省の動きについて「自治体間で税金の奪い合いがあってはならず、返礼品合戦の一定の歯止めになる」と評価。一方で「神奈川のような都市部は税が流出する傾向にあり、各自治体は行政サービスへの影響などを住民にしっかり説明することが大切」と話している。