ここから本文です

北朝鮮はICBMと主張するが…米本土攻撃まではまだ距離感

7/5(水) 11:55配信

ハンギョレ新聞

火星14どこまできたのか 北朝鮮からシアトルまで7900キロメートル、アラスカは射程圏内に 大統領府「北朝鮮が公開したミサイルの中で最も進化したもの」米国、中距離弾道ミサイル(IRBM)に分類…ロシアも「IRBMに合致」 合同参謀本部「火星12よりも射程距離が向上 ICBM能力の有無を分析中」 

 北朝鮮が4日、大陸間弾道ミサイル「火星14」(KN-14)型の試験発射に成功したと主張したことで、同ミサイルが朝鮮半島の戦力均衡にいかなる影響を及ぼすのかに注目が集まっている。

 北朝鮮のミサイル攻撃範囲はこれまで韓国や日本を下回ってきた。北朝鮮は韓国を攻撃する「スカッドB・C」など短距離弾道ミサイル(SRBM)と、在日米軍を攻撃する「ノドン」など中距離ミサイル(MRBM)は比較的早くから保有していた。しかし、日本を越えて太平洋のグアム米軍基地を攻撃するミサイルは、今年5月「火星12」型の試験発射の成功で、初めて本格的な開発の道が開かれた。今回発射された火星14型が北朝鮮の主張通り、名実共に大陸間弾道ミサイル(ICBM)なら、北朝鮮はもはや米国本土への攻撃能力を備えたミサイル開発に入ることになる。米国本土を脅かせるICBMは、朝鮮半島有事の際、米国の戦争介入を抑制する有力な手段になりうる。したがって、北朝鮮の主張が事実なら、南北間の軍事対決構図にも大きな波紋をもたらすものと予想される。

 北朝鮮が同日に発表した内容は、特有の大げさな修飾を除けば、簡単なものだ。火星14型が最大高角で発射され、頂点高度2802キロメートルまで上昇し、933キロメートルの距離を39分間にわたり飛行したということだ。この数値は、韓米情報当局の発表とも大きく変わらない。米太平洋軍司令部は、同ミサイルが37分間にわたり追跡されたうえ、東海に落ちたと発表しており、日本防衛省もミサイルが高度2500キロメートル以上上昇しており、900キロメートルを飛行したと明らかにした。韓国の合同参謀本部も公式発表では飛行距離だけを公開し、930キロ以上だと明らかにしたが、匿名の合同参謀関係者はミサイルの頂点の高度について「2500キロ以上」だと確認した。大統領府関係者は「これまで北朝鮮が公開したミサイルの中で最も進化したもの」だと評価した。

 しかし、火星14型を米国本土攻撃能力を十分備えたICBMと言えるかは、まだ速断できない。米国の非営利科学者団体である「憂慮する科学者同盟」(UCS)所属の物理学者、デイビッド・ライト氏は同日、同団体のホームページに掲載した書き込みで「報道が正確なら、同ミサイルが標準軌道に飛んでいけば、大体最大6700キロメートルの距離に到達できる」と推定した。射程距離5500キロ以上のミサイルをICBMに分類することからすると、火星14型の射程距離が6700キロメートルなら、ICBMと言える。

 しかし、米国本土攻撃までは距離がある。北朝鮮の元山(ウォンサン)を基点に最も近い米国西海岸のシアトルまで7900キロメートルも離れている。ハワイも7000キロほどの距離があり、攻撃するのは難しい。5000~6000キロメートルの距離にあるアラスカだけが射程圏内に収まる。北朝鮮も同日、火星14型を「核兵器とともに、世界のどの地域も攻撃できる最強の大陸間弾道ミサイル」と主張したが、実際、米国本土攻撃能力の有無については一言も言及しなかった。

 米軍は火星14型をICBMに分類していない。米太平洋司令部は同日、通常、射程距離3000~5000キロメートルのミサイルを指す「中距離弾道ミサイル」(IRBM)としており、北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)は「北米地域に脅威にはならない」と明らかにした。韓国の合同参謀本部は「今年5月14日に発射した弾道ミサイルよりは射程距離が向上したものと評価されるが、北朝鮮の主張通り、いわゆる『大陸間弾道ミサイル』の能力を備えているのかどうかについては、韓米情報当局が精密分析を行っている」と留保的な評価を示した。ロシア国防部も論評を発表し、「弾道体の飛行軌道が中距離弾道ミサイルの技術特性に合致する」と明らかにした。

 火星14型は、今回初めての試験発射が行われたが、新型ミサイルではない。すでに2015年10月の労働党創建70周年記念軍事パレードで公開されたことがある。火星14型は、当時公開された映像資料などから、液体推進エンジンを使用する2段ロケットミサイルと推定されてきた。しかし、火星14型はいまだに完成されたミサイルではないものとみられる。同日、北朝鮮の「朝鮮中央テレビ」に公開された写真によると、火星14型は一つの軸の車輪が8本の移動式発射車両(TEL)に載せられてきた後、地上の固定発射台に運ばれ、垂直に立てられて発射された。発射の際、エンジンから出てくる強力な火炎に移動式発射車両が耐えられないという意味で、発射技術がまだ完成していないことを示唆する。通常ミサイルが何回も試験発射を通じて検証されなければならないだけに、今回の試験発射が成功的だとしても、これから開発の開始段階にあると言える。

パク・ビョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

最終更新:7/5(水) 11:55
ハンギョレ新聞