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LNGトレーディング参入相次ぐ-夜な夜な酒場で「情報戦」に備え

7/5(水) 8:03配信

Bloomberg

国内の電力・ガス会社は、火力発電の燃料や都市ガスの原料となる液化天然ガス(LNG)のトレーディング機能を強化している。これまで需要に合わせて産ガス国から輸入する一方だったが、電力などの小売り自由化に加え、原子力発電所の稼働見通しが不透明な状況で、電力供給の調整弁となるLNGに過不足が生じる可能性が高まったためだ。

関西電力は4月、LNGをより安く調達し、余剰分をより高く売ることを目指す「情報戦」を勝ち抜くため、LNG取引が盛んなシンガポールにトレーディング会社を設立した。新会社の社長に就任する猪飼秀明・燃料取引担当部長は、関連業者の集積地に進出し、トレーダーの情報網の中に入り込んで「いち早くマーケットの状況をつかむことが肝要だ」と述べた。同氏によると、シンガポールでは夜な夜なトレーダーたちが酒場に集まり、情報交換をしているという。

LNGプロジェクトの開発では液化設備などの建設で多額の投資が必要で、通常、生産能力の大半について最終投資決定前に長期契約で売り先を確保する。そのため、原油のような活発な取引市場は存在しなかった。

ただ、昨年4月に電力、今年4月には都市ガスの小売りが全面自由化されて顧客争奪戦が激化し、日本の電力・ガス会社は需要変動にさらされている。特に電力会社は、発電電力量の約3割を担ってきた原発の代替発電用燃料としてLNGの購入を急増させた結果、原発再稼働の不透明さや天候に左右される太陽光発電の導入拡大に伴って、余剰LNGを転売する必要に迫られている。

トレーディング機能を強化しているのは関西電だけではない。今年度に入って九州電力や東京ガス、国際石油開発帝石も本社内にLNGのトレーディング部門を設置することを表明したほか、東北電力も燃料先物や卸電力を取引するトレーディング会社を設立した。

東ガス執行役員の比護隆原料部長は、「LNGのスポット市場はまだ相対取引の延長線上にあり、トレーディングという旗を揚げていないと仲間に入れてもらえない部分もある」と述べ、部門を設置するとともに海外駐在員を通じて情報を収集していく方針を示した。

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最終更新:7/5(水) 8:03
Bloomberg