ここから本文です

【特集】安全を陰で支える “ぶら下がり職人”に密着

7/5(水) 15:19配信

毎日放送

ある事故をきっかけに急増している“ぶら下がり”の仕事。老朽化した高速道路や橋に異常がないかを日々チェックしています。私たちの安全を陰ながら支えてくれている点検のプロの仕事に密着しました。

風力発電所の羽の先に…人!?

「ハードロックしない!そこでハードロックしたら解けなくなるぞ!」
「右手が近いぞ!」

動きの一つ一つが厳しい目でチェックされていきます。京都にあるこの点検会社(特殊高所技術)では、4月に入ったばかりの社員がロープだけで壁を移動する訓練をしていました。厳しい指導の末に彼らが送り込まれるのは…

あるときは高速道路で。あるときは京セラドームの外壁で。そしてあるときは、風力発電所の羽の先で。すべて、地上から近づけない足場のない場所です。

「これは橋の裏面になるんですけど、橋の上を通行規制ができない理由で通常は重機を使って見るのがほとんどなんですけど、重機が据えられないところはこういう技術で『近接』する」(特殊高所技術京都営業所 川村裕也所長)

受注増の「近接点検」

ロープだけを頼りに現場に赴き目視で確認する「近接点検」。これが、この会社の特殊技術です。これまでに一度も事故はなく、国交省からも安全とお墨付きをもらっています。足場を組む必要がないため低コストも魅力のひとつ。同じ技術をもつ会社が国内に3社しかなく、依頼が急増しているといいます。

「(受注は3年で)3倍くらいになっている。今まではお断りするということはなかったんですけど、もうそれも限界に近いかなというところですね」(川村裕也所長)

限界まで受注が増えた背景には、ある事故が関わっていました。

「5年に1度」が義務化に

5年前に起きた中央自動車道・笹子トンネル崩落事故。天井のコンクリート板が約130メートルにわたって落下し複数台の車が巻き込まれ、9人が死亡しました。

この事故をきっかけに道路法が改正され、2メートル以上の橋と全てのトンネルでの5年に1度の「近接点検」が義務化されました。日本全国にある約70万の橋のうち18%が建設後50年が経過。10年後には43%に達するといいます。老朽化が進む中、点検にも正確性とスピードが求められます。

1/3ページ

最終更新:7/20(木) 16:50
毎日放送