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物価上昇へ一歩前進か、需給ギャップ3期連続プラス-08年以来

7/5(水) 14:09配信

Bloomberg

日本経済は、需要が供給を上回る状態に入ってきた。ただ日本銀行の黒田東彦総裁が目指す物価上昇2%への歩みは、引き続きゆっくりとしたものにとどまるという見方もある。

日銀の5日の発表によると、需要と供給力の比率を示す2017年1-3月期の需給ギャップはプラス0.79%(前回0.57%)となり、08年以来の高水準。同年以来の3期連続のプラスとなった。

日銀は2%達成に向けて、予想物価上昇率とともに需給ギャップを重視している。景気回復や人手不足は物価上昇圧力となっているが、需給ギャップの拡大が物価上昇にどう波及するかは不透明だ。日銀は19、20両日の金融政策決定会合で経済・物価情勢の展望(展望リポート)を議論し、新たな物価見通しを公表する。

JPモルガン証券のチーフエコノミスト、鵜飼博史氏は発表前の取材で「需給ギャップはプラスで推移すると思うが、物価上昇圧力はじりじりとしたものにしかならない」と分析。人手不足が表面化しつつある中で「企業は今後の経営コストの上昇について強い懸念を持ち、景気の先行きに確信が持てない中で賃金引き上げは避けているのではないか」と述べた。

一方、富士通総研のエコノミスト、マルティン・シュルツ氏は発表前の取材で「需給ギャップがプラスになったことは、日本経済が正しい方向に向かっているということを示している」と説明。「日銀はようやく物価上昇へ向けた主張を補強するデータを得た」と話した。

Toru Fujioka

最終更新:7/5(水) 14:09
Bloomberg