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鑑別所実態伝え非行防止 法務少年支援センター静岡

7/6(木) 7:40配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 非行・犯罪防止と青少年の健全育成に取り組む「法務少年支援センター静岡」の地域援助活動が本格始動から2年を迎え、実績を伸ばしている。心理学や法教育を修めた専門性の高い静岡少年鑑別所の職員が中学校に出向き、鑑別所の役割や処遇を具体的に伝える出前授業は特に好評だ。吉田智子所長は「知らないことが一番怖い。多感な思春期の生徒に説得力ある講話を届け、非行防止につなげたい」と意気込む。

 6月末、焼津市立大富中の体育館。「いじめも犯罪で、逮捕されることだってある。(処分を決める)法的流れに入ってしまったら、親も学校も手出しできない」。鑑別所入所者のケアを担う法務教官の三島平さん(35)は2年生約230人にこう強調し、部屋や面接室の写真をはじめ入所少年の実録なども披露した。

 少なくとも約4週間は強いられる収容生活の実態を明示し、「仮に今非行をして入所したら、夏休みは終わってしまう。友達が1人も入らないよう意識して生活を」と訴えた。

 同鑑別所によると、検挙・補導される未成年の4割近くが中学生で、高校生より多い。罪別では男女ともに窃盗が最多で、傷害・暴行や薬物使用も上位に入る。講話後、学年委員長の女子生徒(14)は「鑑別所の存在を初めて知り、犯罪が身近にあることも分かった」と驚いた。

 同鑑別所入所者は2015年が263人、16年が212人と減少が続き、10年間でみるとほぼ半減した。こうした傾向の中、少年鑑別所法施行で力を入れ始めた地域援助の件数は15年に212件と急増し、16年も200件を超えた。特に外部の依頼で出向く研修や授業は増加が顕著で、「非行事例や少年の『生の声』を具体的に聞ける」と継続開催を依頼する中学も多い。

 2度目の開催の大富中の今村達哉教諭は「昨年受けた3年生は授業後に変化が生まれた。教員も効果的な指導方法を学べる」と意義を述べ、活動が県内の教育現場で浸透拡大することを期待した。

 

 <メモ>法務少年支援センター静岡 思春期の子どもの行動理解などに関する知識と経験を生かし、児童福祉機関や学校、NPOなどの民間団体と連携して非行・犯罪の防止活動を続ける専門機関。全国52カ所の少年鑑別所に併設されている。2015年6月に少年鑑別所法が施行されたことを受け、地域や家庭の個別相談などに応じたり、学校に授業で出向いたりする「地域援助」が業務の柱の一つに位置付けられた。

静岡新聞社