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「こどもフジロック」って何だ? 広がるフェスのファミリー化、ライブ聴けなくても格別な楽しみ方

7/8(土) 7:00配信

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 夏の定番イベント「ロックフェス」。最近は若者だけではなく、子連れの姿が増えてきた。さきがけとなってきた「フジロック・フェスティバル」は昨年、主催者側が「こどもフジロック」という専用サイトを開設し、フェスのファミリー化を提案。世代を超えた「ラブ&ピース」共有の可能性を探っている。(朝日新聞記者・永沼仁)

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子連れ、ここ数年で急増?

 新潟県の苗場スキー場で開かれるフジロック(今年は7月28~30日開催)は、国内外のアーティスト(最近は200組を超す)が、森の中の複数のステージで同時進行にライブを繰り広げるイベントだ。単なる野外ライブを超え、音楽とアウトドア、アートなどが結びついた「フェス文化」を生み出し、夏フェスの「元祖」とされる。

 20周年だった昨年は、前夜祭を含めた4日間の延べ入場数が12万5千人。ただし、子連れの数は、主催するスマッシュに聞いてもはっきりしない。保護者同伴なら子ども(昨年から中学生以下、それ以前は小学生以下)は無料だからだが、「印象として10年前の数倍、ここ2~3年で急増している」という。

確かに。15年前からほぼ「皆勤」の筆者も同感だ。最初に子連れ参加したのは40歳だった07年。場内最大のグリーンステージ後方にあったプライオリティーテント(障害者、乳幼児優先テント)は、50組ほどしか入れなかった(息子に離乳食を与えながらイギー・ポップの熱演に拍手したことを思い出す)が、今では、ほぼ倍の広さが確保されている。

ネット上の体験記も増えた。例えば、昨年開設された「こどもフジロック」。雨や虫対策のためのグッズや注意点などがまとめられ、広末涼子さんら著名人が子連れの楽しさを語る。情報面でも参加しやすい環境が整ってきた。

「3世代が楽しめるフェス」に

 「子連れという流れは必然」。草創期からプロデュースにかかわってきたスマッシュの石飛智紹さん(58)はそう話す。「もともと、3世代が楽しめるフェス、というコンセプトがあった」。手本にしたイギリスのグラストンベリーフェスが、キャンプと音楽を愛する老若男女の集う場だったからだ。「フジの始まった97年に20歳の人は、いま40歳。子どもがいて、一緒に参加してもおかしくない」。

 子連れ「歓迎」を象徴するのが「キッズランド」だ。ツリーハウスやシーソー、メリーゴーランドや木製遊具……森の中のミニ遊園地のような場所は、フェスになじめない子も目を輝かす。授乳やおむつ替えのスペースは、足場のよくない会場内で重宝する(わが家も相当助けられた)。

 新潟・苗場でフジロックが開かれるようになった99年から設けられた空間は、石飛さんに子どもが生まれた翌年、07年からパワーアップを続けてきた。「おもちゃにしても、絵本にしても、妻の使い勝手と娘の成長に合わせて考えてきた」。11年からは、木立を伐採して拡充し、アスレチック遊具が増えた。楽器の体験や子ども向けライブも楽しめる。

 発想のベースは、全国に広がっている「プレーパーク」。「禁止」のルールを減らし、自主性を大事にする遊び場をつくろうという哲学だ。フジロックのスローガンに「自分のことは自分で」というDIY精神があるが、この考えと共鳴する。

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最終更新:7/8(土) 7:00
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