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北朝鮮の伝説女子アナが復活した意味

7/6(木) 11:00配信

東スポWeb

 北朝鮮は4日午後、「特別重大報道」と仰々しくブチ上げ、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験に成功したと発表した。この日午前に発射した弾道ミサイルの最高高度は2500キロ以上で、北朝鮮は「これで世界中のどこでも攻撃できる」とアピール。気合の入り方は偉業を伝える朝鮮中央テレビを見てもわかる。このところ姿が確認されず、死亡説や粛清説も流れた「北側クリステル」ことリ・チュニ(李春姫)氏(73)が久々に登場し、特徴的な自信に満ちあふれた声で原稿を読み上げたのだ。レジェンドアナをあえて起用するほどの大成功だったのか、専門家に聞いてみると――。

 北朝鮮は4日午前9時39分ごろ、同国西岸から1発の弾道ミサイルを発射。午後3時半に「特別重大報道」と題し、ICBM「火星14」の発射実験に成功したと発表。ミサイルの高度は2802キロに達し、39分間、933キロを飛行したとしている。

 防衛省などによると日本の排他的経済水域(EEZ)内の秋田県・男鹿半島から約300キロの日本海に落下した。米メディアによると、米政府側もICBM発射成功とみているという。

 専門家からは、ミサイルが通常の角度で発射された場合、射程は7000~8000キロ以上となり、米本土に届くICBM級との指摘も飛び出しているが…。

 当のドナルド・トランプ米大統領(71)はミサイル発射直後、ツイッターで「この男(金正恩朝鮮労働党委員長)は、ほかにやることがないのか」と、どこか人ごとのような声明を発表した。

 軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏は「飛距離8000キロは盛りすぎ。おそらく6000キロ台で、これではハワイにも届かない。メディアの方々はICBMを飛ばした=開戦危機と考える人もいますが、朝鮮半島の問題には最近ロシアも入ってきて複雑化している。そう簡単に戦争にはならないので、冷静に対応してほしいですね」と話す。

 ただ、北朝鮮の技術力の進歩は脅威で「5月の打ち上げで4500キロだったものが(「火星12」=5月14日)、今回6000キロ台ですから、いずれ捨て置けない事態にはなる」(同)という。

 北朝鮮はICBM保有を国際社会に訴えることで、制裁の緩和・譲歩を引き出したい考え。その証拠に、この日の朝鮮中央テレビでは、北朝鮮が誇るレジェンドアナウンサーのリ氏を出演させた。

 トレードマークのチマチョゴリと自信に満ちあふれた口ぶりは国際的にも知名度抜群。半島事情に詳しい関係者によれば「彼女はアナウンサーで唯一『労力英雄』の称号を与えられており、他のアナウンサーとは格が違う。彼女が出てきたということは、北朝鮮にとって最重要なニュースということだ」。

 リ氏は興奮気味に「北朝鮮の科学者らは、新たに開発した大陸間弾道ミサイルの発射実験を成功のうちに実施した」と述べ「北朝鮮は核兵器に加え、大変強力なICBMを保有する核強国であり、これがあれば世界のどこであっても攻撃できる」と強調した。

 ネット上では「北側クリステル」と呼ばれているリ氏だが、このところは昨年1月の水爆実験成功を伝えるニュースで見かけた程度で、登場回数は大幅に減少。一部では死亡説や正恩氏による粛清説もウワサされた。

「実は彼女、2012年に現役引退の意向を表明し『若くて美しい女性アナウンサーが増えた。こんな老婆より、視聴者の前に登場するのは彼女たちの方がふさわしい』と発言しているんです。その後、周囲の説得で完全引退は避けられましたが、現在はセミリタイア中。その彼女をわざわざ引っ張り出してきたのですから、正恩氏にとって勝負手なのは間違いない」(同)

 裏を返せば、それほど北朝鮮が国際社会の圧力を受けたせいで、より切迫した状態にあるということ。レジェンドアナを投入した今回の“策”が響かなければ、いよいよ暴発もありえそうだ。

最終更新:7/6(木) 11:12
東スポWeb