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トレーナーがいなくてもマンツーマンレッスンが可能になる?

7/6(木) 7:10配信

ITmedia ビジネスオンライン

 スポーツ界でもVR(仮想現実)などの先端テクノロジーを活用するケースが増えている。例えば、プロ野球チームの東北楽天ゴールデンイーグルスは2016年から、打撃練習にVRを活用。対戦投手の特徴を捉えるのに役立っているという。

【トレーナーの動きを見ながらフォームのセルフチェックができる】

 こうした動きはプロスポーツ界だけではなく、ダンスやヨガ、筋トレといった一般の個人レッスンにも入り込んできている。

 スポーツ用品メーカーのFunLifeは6月27日、特殊なミラーを使用した運動施設向けサービス「ARC Mirror」(月額20万円~)をリリースした。トレーナーが不在でも、マンツーマンレッスンを受けることが可能になるという。どんなサービスなのか。FunLifeの田巻富士夫CEOに話を聞いた。

●フォームチェックを正確かつリアルタイムに

――ARC Mirrorはどんなサービスなのでしょうか。

田巻: ARC Mirrorは映像を映し出せる特殊なミラーです。ユーザーはミラーに映し出された映像を見ながらダンスやヨガ、筋トレなどにおけるフォームの確認ができます。

 理想のフォームを覚えるために、DVDやスマホで動画を見ながら練習する人が多いと思います。ですが、本当にお手本通りの動きをマネできているかどうかは、どうしても本人の感覚的な判断になってしまいますよね。

 私がヨガを習っていたときの話ですが、教室でのレッスンがないときは家で動画を見ながら自主練習をしていました。自分では「よし、できている」と思っていたのですが、教室に行って実際に先生に見てもらうと「全くできてない」と指摘されるんです。自分が正確にできているかどうかを把握するには、動画では限界があると感じました。しかも、間違った動きを覚えてしまう可能性もあります。

 そこで思い付いたのが、独自技術を活用したセンサー付きミラー、ARC Mirrorでした。ARC Mirrorには、自分と同じ身体サイズのトレーナーの動きを映し出すことができます。ユーザーはその動きに合わせて練習をすることで、正しいフォームを身に付けることができます。

 ARC Mirrorはユーザーの動きをセンサーが正確に捉えていますので、「正解」の動きとズレがある場合はその部分を赤く表示するなどして、指摘してくれます。これによって、自分はどこができていないのか、正確かつリアルタイムに知ることが可能になります。

 ARC Mirrorに映し出す映像は、要望に合わせてオリジナルのコンテンツを入れることができます。例えば、普段はなかなか受けることができない人気トレーナーのレッスン動画を収録することで、ユーザーはいつでもその人気トレーナーによるレッスンを受けることが可能になります。ユーザーはより高いモチベーションを保ちながらレッスンに取り組めるようになるでしょう。

●トレーナーの人手不足解消に

――ARC Mirrorは、どんなスポーツと相性が良いですか?

田巻: ヨガ教室、ダンス教室、スポーツジム、それからゴルフ、野球、テニスなどのスイング指導とも相性が良いと思っています。

 この中でも特にスポーツジムの場合は、安全面でもメリットがあります。近年は24時間営業のジムが増えてきてますが、そのほとんどがセルフ型。つまりトレーナーがついていないのです。しかし、正しいトレーニング方法を教わらないままトレーニングを行えば、ケガのリスクが高まります。

 1つ1つのフォームをトレーナーにチェックしてもらいながら行うことが理想ですが、トレーナーも人手不足の状態であり、コスト的にも全員がマンツーマンのサービスを受けられるわけではありません。こうした課題を解決したいと思っております。

 人対人による指導ならではの良さももちろんありますが、機械だからこそ応えられるニーズもあります。例えば、「遠方にいる憧れの人のフォームをマネしたい」「指導を受ける時間をもっと自由に調整したい」といったようなことですね。

――今後の展開について教えてください。

田巻: 今後は、ゲーム的要素(動きの再現度合に応じて採点するなど)を追加するなど、機能を拡張させていく予定です。新しいスポーツ教育のあり方を提供できるようにしたいですね。

 あらゆる領域でテクノロジーの活用が加速していますが、スポーツの指導、教育においては、あまり大きな変化がないのが現状です。もちろん、専用アプリでパーソナルトレーナーを予約したり、テレビ電話のようなものを通じてアドバイスを受けるようなサービスは出てきていますが、基本的には人対人によるレッスンが主流のままです。先ほども申し上げたように、マンツーマンでの指導にはコストがかかるため、お金に余裕がないユーザーは受けられません。

 ARC Mirrorのようなテクノロジーを活用したサービスによって、多くの人がより手軽にマンツーマンレッスンを受けられるようにしたいと思います。


(鈴木亮平)