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凍らせても使える現場向け堅牢PC、タブレットとしての使用も可能

7/6(木) 7:10配信

MONOist

 パナソニックは2017年7月5日、頑丈フィールドモバイルとして展開する「TOUGHBOOK(タフブック)」シリーズの新製品として、デタッチャブル(着脱式)PCタイプのフラグシップモデル「CF-33」(オープン価格、参考価格は税別43万6200円)を発表した。2017年9月下旬に発売する。

【-10度で「CF-33」を凍らせた状態とハンマーで氷を砕いて起動させた状態のデモ画像など】

●着脱式で作業現場と人の両方の業務を革新

 新製品の「CF-33」は、キーボード部を外してタブレット端末として単独使用も可能なデタッチャブルPCのフラグシップモデルだ。分離使用が可能な中でも堅牢性を確保し、120cmの落下試験を実施している他、IP65準拠の防塵防滴性能、MIL-STD-810G準拠の耐振動性能などを備えている。これにより、従来はタブレット端末とPCの2台で行わなければならなかった業務でも1台で対応可能となる。

 この効果についてパナソニックでは「作業現場の業務革新と人の業務革新の両方を実現する端末だ」と強調。パナソニック コネクテッドソリューションズ社 モバイルソリューションズ事業部長の坂元寛明氏は「例えば、物流でトラックにタフブックを設置して荷物の運搬などを行う場合、運転中は問題ないが指定された家に荷物を届ける時に最後は手作業で運ぶケースなども生まれる。その際、配達員は別端末を持って移動する場合が多かったが、『CF-33』であれば1台で運転中から顧客宅に届ける場合までカバー可能になる」と利点について述べている。

 タフブックの着脱式モデルは既に2016年3月に発売した「CF-20」がある※)。ただ「CF-20」は10.1型液晶パネルであるのに対し、「CF-33」は12.0型QHD(2160×1440ドット)液晶パネルを搭載し、より大画面化に対応している点が特徴である。

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 さらに、過酷な現場環境における使いやすさを向上。屋外でも見やすい1200cd(カンデラ)/m2の高輝度液晶を搭載した他、静電容量式タッチパネルでありながら手袋装着時や水滴付着時でもタッチ操作を可能としている。バッテリーは着脱時に力を発揮できるようにタブレット部に2本搭載できるようにしており、ホットスワップ対応で約12.5時間の長時間駆動を可能としている。

 OSにはWindows 10 Pro 64ビット、ストレージはSSD256GBを搭載する。従来モデルは本体質量は約4kgだったが「CF-33」ではキーボード部を含めて約2.76kg、タブレット部単体では1.53kgとしている。

 現場ニーズに細かく対応できる拡張性なども確保。活用状況に応じて、バーコードリーダーやシリアルコネクター、USB2.0ポート、リアカメラ、ワイヤレスWANなどを、パナソニック神戸工場で出荷時からカスタマイズすることが可能である。

●現場向けのBtoBソリューションを強化するパナソニック

 パナソニックでは2017年4月にパナソニック コネクテッドソリューションズ社(CNS社)が発足したばかり。もともとパナソニック出身で前身が日本マイクロソフト会長だった樋口泰行氏を社長に迎え、システムソリューションなどを必要とするBtoB事業の成長に取り組んでいるところである。樋口氏は2017年6月の会見ではCNS社の強みとして「現場との接点」を強調しており、タフブックもBtoBにおけるその重要な1つのポイントとなる※)。

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 タフブックの会見で登壇した樋口氏は「数年前には『TOUGHPAD(タフパッド)』発表のゲストとして日本マイクロソフトの立場で登壇したが、数年後に逆の立場で立つことになるとは思いもしなかった。パナソニックの4つのカンパニーの中で、CNS社はBtoB領域を担うカンパニーとなる。特に、製造、流通、物流、公共領域などは重点領域である。われわれの強みは業界にフィットとした形で製品からサービスまで提供できることであり、現場に役立つソリューションの提供がわれわれの価値であるといえる。タフブックはまさにそうした現場を変革するコアデバイスとなる製品だ」と意気込みを述べている。

●国内市場では伸び悩む堅牢PC市場

 堅牢PC市場は、海外では警察や消防など公共領域で一定市場を構築している。パナソニックはその中でトップシェアを維持しており、2016年度はグローバルで40万台以上を販売。ただその中で国内販売は4万台にとどまっており、坂元氏は「まだまだ伸びる市場である」と述べている。

 製造現場向けでは既に医薬品向けや食料加工向けなどで導入が進んでいるが「水にぬれたり振動が常に発生する工場でも安定的に稼働できさまざまな機能を担わせることができる点が評価を受けている。導入は伸びているが、まだまだ伸ばす余地がある」(説明員)としている。

 堅牢PCの成長が国内で伸び悩んだ理由について坂元氏は「日本市場にとって従来のタフブックは厚く重く、ゴツすぎたといえる。ただ『CF-20』から軽量化にも取り組み、徐々に受け入れられる状況はできてきている」と自信を見せる。さらに「新製品も含めて、5~12型までのラインアップで展開し2017年度は前年度比20%増の5万台を販売したい」と坂元氏は、今後の抱負を語っている。

最終更新:7/6(木) 7:10
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