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株主総会大きく様変わり?株主からの意見表明目立つように

7/8(土) 8:30配信

THE PAGE

 このところ株主総会の光景が大きく様変わりしています。かつては株主が経営に意義を唱えることは、半ばタブー視されていましたが、積極的に経営に対して発言する株主が増えてきました。

 6月末は3月期決算の企業における株主総会のピークとなります。かつて株主総会は「シャンシャン総会」と言われ、議案が否決されたり、株主が総会の場で経営陣に異議を唱えることはほとんどありませんでした。本来、株主総会は経営陣と株主が意見をぶつけ合う場ですから、緊張感のあるやり取りが行われるべきものです。しかし、日本社会では、経営陣に意見を言う株主は「和を乱す」存在とみなされ、半ばクレーマー扱いされることがほとんどでした。

 こうした雰囲気を一変させたのが安倍政権によるコーポレートガバナンス改革です。企業は株主に対してしっかりと利益還元することが求められるようになり、これに伴って、積極的に経営に関与する株主が増えてきたのです。

 特に、わたしたちの年金を運用している日本最大の機関投資家GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、受け身一辺倒の投資スタンスを変えたことが大きく影響しています。このところ年金の保険料や国庫負担だけでは給付額を賄えない赤字財政が続いています。企業の株価が上昇し、配当が増えなければ、わたしたちの年金が危うくなってしまいますから、株に投資していない人にとっても他人事ではありません。

 欠陥エアバッグ問題で民事再生法の適用を申請したタカタや、経営破綻の瀬戸際にある東芝の株主総会において、株主から厳しい意見が相次いだのは当然のことかもしれませんが、特に大きな問題が発生していない企業でも、取締役選任議案などで反対票が投じられる割合が上昇するなど、株主からの意見表明が目立っています。

 企業の対応も変わってきました。株主総会が特定の日に集中しているのは、総会屋対策というのがタテマエですが、株主をたくさん参加させたくないという企業側の身勝手な理由によるものがほとんどです。多くの株主に参加してもらうために、集中日以外の日程を組む企業も増えていますが、こうした試みは高く評価してよいでしょう。

 また株主総会でお土産を配る企業も減っています。お土産を目当てに総会に参加する株主がいるのも事実ですが、商法上、株主は会社の所有者ですから、お土産を受け取るというのは、自分の所有物を自己消費しているだけに過ぎません。金額が小さいとはいえ、総会に参加できなかった他の株主との公平性という観点からも、本来、必要のないものと考えられます。

 年金財政の悪化や不祥事の多発といった後ろ向きの理由が直接のきっかけとはいえ、ガバナンスに対する意識が高まっているのはよいことです。こうした活動が日本企業の健全な運営につながっていくことでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:7/14(金) 6:07
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