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外国客 自転車でGO 県、8日に広域ツアー第1弾

7/6(木) 12:03配信

福島民報

 福島県は今年度、自転車人気に着目した外国人の観光誘客に乗り出す。本県南部を中心に茨城、栃木両県北部や近県の観光名所を巡る広域自転車ツアーを企画し、世界中から参加者を募る。第1弾として8日から栃木県那須町を出発し会津へ向かう4泊5日のツアーを催し、台湾から約15人が参加する。県内の外国人宿泊客数は東日本大震災と東京電力福島第一原発事故前の実績まで戻り切っておらず、さらなる回復の起爆剤としたい考えだ。
 ツアーは県産農産物の輸出先のタイ、中国語圏、米国、英国、豪州など英語圏からの誘客を想定している。基本的に宿泊付きの滞在型とし、外国人観光客のニーズを踏まえ、紅葉など日本ならではの豊かな自然に触れるルートを10本以上用意する。県の単独事業だが、栃木、茨城両県のFIT圏内の市町村や近県の観光地を組み込み、広域観光ルートの魅力を高める。栃木、茨城両県との連携を強化し、日光などを訪れる外国人観光客を本県に呼び込む。
 8日からのツアーは那須町を出発し、会津若松市の芦ノ牧温泉駅に向かうルートで、台湾の自転車協会関係者が参加する。自転車と一緒に乗れる会津鉄道を利用し、塔のへつりや大内宿、鶴ケ城へのサイクリングを楽しんでもらう。この他、年度内に9泊かけて約1100キロを走破する東北縦断ツアーも計画している。
 県の委託を受けた専門業者が海外の旅行業者を通じて外国人に各ツアーへの参加を呼び掛けるほか、県もホームページで情報発信する。FIT地域の県南地方では、県南5市町村を巡る「ツール・ド・しらかわ」が開かれるなど自転車競技への関心が高い。県は県南地方を含め、外国人観光客がツアーで訪れる市町村との連携事業も検討する。
 近年、日本を訪れる外国人観光客は急増している。観光庁のまとめでは、県内の2016(平成28)年の外国人延べ宿泊者数は7万9720人となり、全国42位。前年に比べ41.3%伸びたが、震災と原発事故前の2010年と比べると9割超で、完全回復には至っていない。県内では白河市と西郷村、喜多方市などが官民でサイクルツーリズムに取り組んでいるが、いずれも国内客中心のため、県は国外の愛好家に絞って観光誘客を図る。
 県地域振興課は「サイクリングでは、本県の自然や文化などをじっくり楽しんでもらえる。ツアーを通じて海外で根強い原発事故の風評払拭(ふっしょく)にもつなげたい」としている。

■「県内宿泊のきっかけに」

 県の取り組みについて県旅館ホテル生活衛生同業組合の小井戸英典理事長(61)は「県内に外国人旅行者が宿泊するきっかけになる」と歓迎した上で、「県内全域で観光業全体が盛り上がるようなコース設定を」と要望した。

<第1弾ツアーの日程>
◆1日目(8日)
・成田空港を出発し、栃木県那須町の旅館に宿泊
◆2日目(9日)
・那須町で開催されるイベント「那須高原ロングライド」に参加
◆3日目(10日)
・那須町の旅館を出発し、バスで磐梯吾妻スカイラインの不動沢橋レストハウスに移動。スカイラインをサイクリングし、浄土平レストハウスで休憩。バスで五色沼に移動しサイクリング再開。喜多方市の駒形地区公民館でバスに乗り、東山温泉に宿泊
◆4日目(11日)
・東山温泉から会津鉄道沿線を芦ノ牧温泉駅までサイクリング。会津鉄道に乗車し、塔のへつり駅で下車。塔のへつりを見学してから大内宿へ向かい、見学後、湯野上温泉駅で再び会津鉄道に乗車。南若松駅で下車し、サイクリングで鶴ケ城へ。見学後、東山温泉に宿泊
◆5日目(12日)
・東山温泉からバスで栃木県へ。日光東照宮を見学し、バスで成田空港へ

福島民報社

最終更新:7/6(木) 12:04
福島民報