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ブラジルでオーガニック食品市場が年20%成長

7/6(木) 6:37配信

MEGABRASIL

顧客は環境問題についても意識

近年の食育の成果もあってか、ブラジルでも健康的な食生活を追及する人口が増加し、大都市では無農薬製品だけの朝市や専門スーパーマーケットもみられるようになった。

TVグローボが6月25日、経済情報番組「ペケーナス・エンプレーザス・イ・グランヂス・ネゴーシオス」で伝えたところによると、ブラジルのオーガニック食品市場は2016年、前年比で20%成長したという。

大都市では健康的な食生活はブームではなく、生活のスタイルとしてしっかり定着した。一方、農業国のブラジル、供給する側も自らの商品を顧客に手に取ってもらえるよう様々な工夫を凝らしている。

オーガニック食材をかごに詰め合わせ、顧客のもとに届けるサービスもその一つだ。考案したのは起業家、ホベルタ・サウヴァドールさん。

ホベルタさんは多国籍企業で弁護士としてキャリアを積み、このほど友人とオーガニック食材の流通を専門とする「オルガノーポリス」を立ち上げた。

「お客様は疑う余地なくファストフードから遠のき、よりよい食生活を求めていらっしゃいます。我々のお客様はわが社が提供する商品をずっと探し求められていたようです」(ホベルタさん)

主婦のクリスチアーナ・コルテス・アウダさんは週330レアル(約11500円)を払って、オルガノーポリスから一家の食事15食分の食材キットを購入している。

「私にとってこのサービスの最も重要な点は、レシピと一緒に配達されて、しかもすぐに使えるということです。これは生活をうまく回すために必要なことなのです。おいしくて、健康的で、いつも何かしら新しいものもあるので、同じものを食べるということがありません」(クリスチアーナさん)

ホベルタさんは共同経営者のパウラ・サウガードさんと一緒に10万レアル(約350万円)を投資して会社を立ち上げた。現在では従業員11人、うち一人は栄養士を雇用している。毎日オーガニック食材を求めて奮闘しているところだ。

「食材が足りない時は仕入先を回って仕入に走ります。ですが、見つかったものが我々のクオリティレベルにあっているものでなければ意味がありません」(パウラさん)

オルガノーポリスは常時20の生産者と契約しているが、そのほとんどが零細農家だ。作付面積が少ないことと季節の変動などの要因もあり、同じ食材の大量安定供給は難しい。その点は当然仕入れ値にも影響する。オーガニック食品業界で収益を上げていくには仕入れは売価の4割以下に抑えて運営していくことが必須だという。

オルガノーポリスが開業したのは半年前だが、売上は想像以上に増えたという。かごに詰めて配達するというスタイルも差別化の大きな要因だが、それだけではないようだ。

ホベルタさんとパウラさんはオーガニック食材を使う顧客は環境問題についても意識が高いという。オルガノーポリスでは配達用の容器をリサイクルしている点も受注増につながっていると見ている。商品が入ったかごは次の配達の時に配達員が回収する。

「食品の作付から容器のリサイクルまで、すべてが一つのサイクルになっています。何一つ無駄にしません」(ホベルタさん)

かご一つにつき25~30種類の商品が入っている。野菜だけでなく、果物はちみつ、卵、肉、チーズ、穀類も組み合わせられている。洗浄済みの状態で真空パックされている。

もう一つ重要な差別化要因は、届いた食材を使って作れる料理のレシピが入っていることだ。レシピは社内栄養士カルラ・コッタさんの監修を受けたものとなっている。

オーガニック食材かごの注文は月に320件、月商は3万レアル(約105万円)とのことだ。注文は日に日に増える一方だという。

生活の質にこだわる層が厚くなってきた昨今のブラジル。公共交通機関が限られ、交通渋滞のひどい大都市でまだまだ需要は伸びそうだ。

(文/原田 侑)

最終更新:7/6(木) 6:37
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