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IS支配域の乳児らが重度の栄養失調、「飢餓並み」と医師ら警鐘

7/6(木) 13:24配信

The Telegraph

【記者:Josie Ensor】
 イラク第2の都市モスル(Mosul)のうち、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が掌握する西部から救出された乳幼児らは深刻な栄養失調に陥っており、「まるでアフリカの飢餓(ききん)に苦しむ子どものようだ」──医師らはそうなぞらえて警鐘を鳴らしている。

 モスル奪還作戦が大詰めを迎える中、最大10万人もの住民が十分な食料もないままIS支配地域内に取り残されており、戦闘がさらに長引けば餓死者が出る恐れも真剣に取り沙汰されている。

 医療関係者らが診てきた大半が、モスル旧市街の郊外から搬送されてきた子どもたちだ。医師らが恐れるのは、これは最初のごく一握りにすぎず、これから数日後、数週間後にさらなる惨状が待ち受けているのではないかということだ。

 モスル南郊のハマムアルアリル(Hammam al-Alil)の難民キャンプで働くミアード・シャマリ(Meaad al-Shammari)医師は、「イラクでこのような事例はほとんど見たことがない」と語っている。

「悲惨なのは、これはアフリカでみられるような干ばつが原因ではなく、完全に人災だということ。ISの野蛮人らが、赤ん坊を餓死させている」「医師らは、ここまでのレベルの危機を想定していなかった」

 シャマリ医師によれば、安全な場所にたどり着くことができた子どものうち、重度の栄養不良に陥っている1歳未満の乳児が連日20人もの数に上っているという。

 イラク軍は今年に入り、モスルとシリアを結ぶISの最後の主要供給ルートを遮断して残党を市内に包囲したものの、同時に厳しい食料不足を招いた。わずかに残った食料は住民の大半にとって高過ぎて手に入らず、ISのメンバーやその支持者らに独占されている。

 シャマリ医師は、問題の一端はイラクの母親には授乳の習慣がなく、粉ミルクで育てるのが普通だという点にあると指摘している。今のモスルには、粉ミルクなどほとんど入ってこない。

 たとえ授乳したくても、戦時下の生活で精神的・身体的な苦痛が絶えないため、難しいと感じる母親が多い。

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最終更新:7/6(木) 13:24
The Telegraph