ここから本文です

「死ぬなんて言わず、やってみよう」裁判官が諭す 児童養護施設育ちの被告に

7/6(木) 6:01配信

上毛新聞

 「死ぬなんて言わないで、やってみようよ」。前橋地裁で5日開かれた刑事裁判で、鈴木秀行裁判官が高崎市の無職の被告(22)を諭す一幕があった。

「生きる道、自分で開拓できる」

 被告は4月下旬、前橋市のネットカフェでネットゲームに課金した11万5000円分を払わなかったなどとして、詐欺罪で起訴された。

 冒頭陳述や被告人質問によると、被告は3歳で児童養護施設に入り、経済的事情などで大学進学を諦めた。人付き合いを苦に職を転々とし、生活保護を受給していた。好きなネットゲームを思う存分やって死のうと考えたという。「自暴自棄だった」とつぶやき、白く細い体を震わせた。

 鈴木裁判官は「確かに恵まれていないかもしれない。10代はつらかったろう」と推し量り、「今は大学を出た人と同じ、1人で稼いで生活していく20代の大人だ。生きる道は自分で開拓できる」と語った。

 黙り込みがちだった被告は最終陳述で、被害店舗への謝罪の言葉を口にした。

 被告は起訴内容を認めており、検察側は懲役1年6月を求刑、弁護側は執行猶予付きの判決を求めて即日結審した。

上毛新聞社

最終更新:7/6(木) 7:20
上毛新聞