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「階段国道」誕生のワケ 生活道路はいかにして「名所」になったのか

7/6(木) 6:20配信

乗りものニュース

そもそもの設置理由は「通学のため」

 青森県の津軽半島の北端、竜飛岬近くに、通称「階段国道」と呼ばれる国道に指定された階段があります。

【地図】「階段国道」の位置

 この「階段国道」は、青森県弘前市から五所川原市、中泊町を経由して外ヶ浜町(旧・三厩〈みんまや〉村)に至る国道339号の一部で、竜飛岬の丘の上から、海沿いの漁港に通じる388.2mの区間を指します。

 青森県によると「日本で唯一」というこの区間は、どのような経緯でできたのでしょうか。国道339号を管理する同県道路課に聞きました。

――そもそも階段の区間を国道に指定できるものなのでしょうか?

 できます。国道の指定要件には道路の状態などに言及はなく、階段も除外されません。

――いつ、どのような経緯でできたのでしょうか?

 国道に指定されたのは1974(昭和49)年です。当時、坂道の中腹に中学校、上に小学校がありました。坂の下から中腹までの階段は国道指定時には存在しており、1980年代にはさらに、小学生の通学を楽にするため中腹から上の方にかけても階段が設けられました。1990年代中盤には、ふたつの階段が再度整備され、現在に至っています。

――なぜこの区間が国道に指定されたのでしょうか? 拡幅の予定などはありますか?

 国道指定にあたり、(坂の上を通る区間と、下の海岸沿いを通る区間からなる)ルートを途中で分断させないよう、とりあえずこの区間も指定したというところではないでしょうか。クルマが通れるように拡幅する検討はしたものの、勾配がきつすぎることなどから、改良されずに残ったのでしょう。今後もこの区間を改良する予定はありません。

「そのまま観光地化したほうがいい」

 地元である外ヶ浜町の産業観光課によると、青森県同様に「もともと生活道路として階段があったところ、道路整備のために国道に指定されました」といいます。

「ところが、70mという高低差や、民家が密集していることもあって、この区間の改良は手つかずのまま時が過ぎていきました。やがて『階段国道』の存在が有名になり、旧・三厩村も『そのまま観光地化したほうがいい』として、整備し直されたようです」(外ヶ浜町産業観光課)

 同町によると、竜飛岬の観光客数は年間15万人程度。「『竜飛といえば階段国道』と思われている節もある」といい、そのうちの多くが「階段国道」に訪れているそうです。

 ちなみに、「階段国道」を上り切ったところからさらに、灯台の方へと通じる「階段村道」(現在は町道だが、看板はそのまま)も存在します。

乗りものニュース編集部