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市場移転で注目 変貌を遂げる「豊洲」 業歴10年未満の新興企業が7割

7/6(木) 17:15配信

東京商工リサーチ

「豊洲」所在企業の実態調査

 6月20日、小池百合子東京都知事は懸案の中央卸売市場(築地市場)の移転問題で、築地市場の機能を豊洲に移転させることを表明した。土壌汚染による環境問題に端を発し、2016年11月に移転延期を表明してから様々な議論を巻き起こした市場移転問題。小池知事の「築地は守る・豊洲は活かす」の基本方針で、市場機能の豊洲移転が大きく現実味を帯びてきた。
 豊洲地区は昭和初期にかけ整備され、歴史は浅い。造船需要の高まりで東京石川島造船所(現:(株)IHI)の造船工場などが設置され、主に工業地帯として発展してきた。だが、銀座をはじめ都心部に近く、湾岸エリアのオフィス街、住宅地区としても注目を集め、最近は高層オフィスビルやタワーマンションが林立し、大きく変貌を遂げつつある。
 東京商工リサーチでは、江東区豊洲(1丁目~6丁目)に本社を置く804社(以下、豊洲所在企業)の実態を調査した。産業別で最多はサービス業他(354社、構成比44.0%)だった。また、業歴5年未満の新興企業(338社、同42.0%)が4割を占め、起業数も年々増えており、発展を続ける新興地区の特徴が表れた。

 ※TSR企業データベース(309万社)から、東京都江東区豊洲(1丁目~6丁目)に本社を置く804社を抽出し、分析した。

サービス業他、不動産業、情報通信業で7割

 豊洲所在の804社を産業別でみると、サービス業他が354社(構成比44.0%)と最多で4割を占めた。次いで、不動産業121社(同15.0%)、情報通信業108社(同13.4%)と続き、上位3産業で7割(同72.5%)を占めた。
 業種別での最多は専門サービス業の135社(構成比16.7%)だった。専門サービス業の内訳は、経営コンサルタント業が88社で最多。次いで、デザイン業が10社だった。タワーマンションなど富裕層向け住居が増加し、専門職の職住一体型の企業が多いとみられる。
 以下、情報サービス業84社(構成比10.4%)、不動産賃貸業・管理業73社(同9.0%)、不動産取引業48社(同5.9%)と続く。大規模な設備投資を必要としない第3次産業が中心で、都心に近い立地条件を活かした企業が多い。

 一方、飲食料品卸売業(9社、このうち生鮮魚介卸売業2社)、飲食料品小売業(17社、このうち鮮魚小売業2社)など、食料品関連を取り扱う企業は圧倒的に少なく、飲食料品卸・小売業が5割を占める築地周辺とは様相が大きく異なる(※参考:2016年9月「築地市場と周辺地域の企業実態」調査)。豊洲への市場移転で、地区内の産業構造が今後どう変化を遂げるか注目される。

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