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北朝鮮がICBM発射 トランプ強硬路線は手詰まり

7/6(木) 20:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の「火星14号」の発射実験に初めて成功したと発表したことについて、トランプ政権は7月4日、このミサイルがICBMだと認めた。

【画像】プロパガンダ要素が強いものの、米本土まで届くICBMの完成は専門家の予想より早まりそうだ。

米太平洋軍は初期段階の分析の結果として、このミサイルが中距離弾道ミサイルと発表したが、米国務省も米国防総省(ペンダゴン)も同日中にその見方を覆し、「アメリカは北朝鮮による大陸間弾道ミサイルの発射を強く非難する」との声明を出した。

北朝鮮によるICBMの発射実験は、同国のミサイル技術の向上を誇示し、アメリカやその同盟国の日韓に対する北朝鮮の脅威が重大な段階に入ったことを示している。

「大気圏再突入」は本当なのか

北朝鮮は南北統一と朝鮮民族の統一という国是を実現するため、米本土を射程に収める核弾頭搭載のICBMを手中に入れ、アメリカによるいかなる軍事介入のリスクも排除しようとしている。同時に、ICBMは朝鮮半島有事の初期段階で、在韓米軍や在日米軍を攻撃できる北朝鮮の戦域核兵器(地域的に限られた目標を攻撃する中距離核兵器)の有効性や信頼性をぐっと高めることにもつながる。これはアメリカや日本、韓国にとって、さらなる脅威の増大に他ならない。

北朝鮮はこれまでニューヨークやワシントンのようなアメリカの中枢まで打撃を加えることのできるICBMの火星13号(米国のコードネームKN-08)とその改良型となる火星14号(KN-14)の開発を急いできた。これまで多くの軍事専門家は、北朝鮮が米本土に打撃を与えるICBMを完成するのは今後4~5年以内との見通しを示していたが、今回のICBMの初実験の「成功」でその見通しがきっと前倒しになるはずだ。

ただ、北朝鮮にとって課題が全てクリアになった訳ではない。

ICBM完成には今後も発射実験が何度も必要となる。特に、熱遮蔽(しゃへい)物質の開発やミサイル誘導システム、エンジン開発、ロケット分離などに課題が残っているとみられている。

特に、今回のミサイル発射のように燃料が液体だと、注入など「発射準備」に時間がかかるので、事前にアメリカや日本の監視システムで発射準備の兆候が見つかりやすい。本格的な固体燃料ミサイル技術の開発ができるかどうか。

また、北朝鮮の朝鮮中央通信は5日、火星14号の発射実験に関し、大気圏再突入技術の「最終確認」が目的で「大成功」だと報じたが、はたして本当かどうか。プロパガンダではないのか。大気圏外に出たミサイルの弾頭が大気圏に再突入する際、高い熱や圧力、摩擦がかかるが、ICBMの弾頭部分がそれに耐えられているのかどうかまでは、定かではない。

米本土に打撃を与える射程1万キロのICBMの場合、大気圏への再突入時には速度がマッハ24(秒速8.1キロメートル)に達し、弾頭部分の温度は4000-7000度の高熱に達するが、韓国当局が指摘するように、弾頭の大気圏への再突入技術が本当に確立されたかどうかは確認されていない。こうした技術の開発にはなおも時間がかかるとみられる。

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