ここから本文です

「すかいらーく」はなくなり「ガスト」が増えた ―低価格路線への戦略転換

7/6(木) 15:30配信

ホウドウキョク

1970年に創業した「すかいらーく」は順調に店舗数を増やし、1974年には「100店舗構想」を発表する。

「チーズINハンバーグ」や「山盛りポテトフライ」などの写真はコチラ

しかし、1980年代後半以降、バブルの崩壊とともに苦戦を強いられる時代に入る。すかいらーくは戦略の転換にチャレンジし、店舗としての「すかいらーく」は2009年の川口新郷店(埼玉県川口市)の閉店でその役目を終えた。

これに代わってグループの主軸を担ったのが1992年に誕生した「ガスト」だ。以降、急速に店舗数を増やし、2017年の時点で全国に約1360店。47都道府県のすべてに出店する唯一のファミレスとなった。

「飲食の場」から「コミュ二ケーションの場」へ

低価格を追求する「ガスト」には客が殺到。そこで、客を待たせない工夫としてファミレスチェーンとして初めて導入したのが店員を呼び出すベルだ。客がストレスなく自分の好きなタイミングで呼び出せるアイテムとして大いに注目を集めた。

「味のクオリティをキープしたまま低価格で提供するのはもちろんですが、仕事スペースとしても使えるし、お酒を飲みたい人にも便利な“場”を提供したいという思いもありました。レストランの需要が飲食の場からコミュニケーションの場に移ってきたんです」(すかいらーくマーケティング本部・小林大祐さん、以下同)

バブルの崩壊とともに、客は“良いものをより安く売る店”を求めるようになった。そこですかいらーくが作り上げたのが、美味しい料理を気軽に食べられるというコンセプトの「ガスト」。「ガスト」とはスペイン語で「楽しく味わう」というものだ。

スタッフの制服も初期はジーパン。カジュアルさをアピールすることで、気軽に来店してほしいというメッセージを込めた。

看板メニュー「チーズINハンバーグ」にまつわる秘話

「ガスト」の看板メニューのひとつに「チーズINハンバーグ」がある。

「これは2008年に登場したメニューですが、美味しさを追求しながらレシピをどんどん変えてきています。たとえば、ハンバーグの中のチーズ。当初は2種類だったのですが、2010年からホワイトチェダー、モッツァレラ、カマンベールの3種類に。さらに、2014年からはパルメザンが加わって4種類になりました」

「進化を続けた結果、最高の黄金比率になった」と小林さんは胸を張る。時代によって好まれる味が違うというのも、改良を続ける要因のひとつだ。

ほかにも、濃厚ビーフシチューととろっとろ卵が売りの「オムライスビーフシチューソース」も人気を博した。また、「山盛りポテトフライ」などの“衝撃的メニュー”を覚えている人も多いだろう。

「1993年には『すかいらーく』時代の原点回帰として、一時的に当時と同じ文字メニューに変更しました。キャッチコピーは『15年前のお値段と、15年先のサービスと』。目玉は『すかいらーく』が創業当時に380円で出していた“ごちそう”の『ハンバーグステーキ』を同じ値段で提供したことです」

また、「ガスト」では客のニーズにいち早く対応し、和食メニューやヘルシーメニューも導入している。

成長戦略を託された「ガスト」のは低価格路線は見事に成功し、2017年現在、全国に約1360店を展開。47都道府県すべてに出店しているのは「ガスト」のみという状況だ。

1/2ページ

最終更新:7/6(木) 15:30
ホウドウキョク