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【ライターコラムfrom仙台】「ここで満足せず、高めていきたい」…挑戦と前進を続ける大岩一貴

7/6(木) 20:27配信

SOCCER KING

 明治安田生命J1リーグは、第18節から後半戦を迎える。ベガルタ仙台がその後半戦最初の試合で対戦するのは、第3節で0-2と苦杯をなめさせられたヴィッセル神戸だ。この一戦を前に、「第3節から、どういう部分が成長したところを見せたいか」と、ある選手に訊いたところ

「すべてですね」

 と即答があった。回答者の名は大岩一貴。もともと問いに対してはシンプルに答える傾向がある彼だが、短いながらもその声色には力と説得力が籠もった返答だった。彼自身が、この数カ月間についても、仙台に加入してから約1年半に期間を延ばしても、チームとともに成長と前進を続けている。

 大岩がJ2のジェフユナイテッド市原・千葉から仙台に移籍加入したのは昨季、2016年のこと。加入当初は「キャンプでもまだ『ついていく』というところで、最初はまだ先発はきついかなと思っていた」ということだったが、主力選手の負傷というアクシデントはあったとはいえ、同年の開幕戦で堂々のフル出場。実は試合前に緊張し「もう、やるしかないと思った」という心境だったそうだが、彼にとってのJ1デビュー戦で白星に貢献した。

 以来、右サイドバックとセンターバックの両方で、J1での経験を重ねた。主戦場となったのはJ1デビュー戦同様の右サイドバックで、前への対人守備の強さでサイドに蓋をすることはもちろん、サイドを90分間頻繁に上下動して攻守に貢献。同年の2ndステージ第15節・神戸戦では、長い距離を駆け上がって彼にとってのJ1初ゴールを記録した。

 そして今季は仙台が新たに挑戦する3-4-2-1で、3バックの右を主に務める。「守備だけでなく攻撃のポジショニングなど、覚えることが多くて……」と開幕前には話していたが、ここでも仙台の最終ラインはもちろん、頻繁に自身のポジションを押し上げてチームの攻撃に厚みを加えた。そして試合を重ねるごとに、大岩自身のプレーの幅も広がった。押し上げるだけでなく、時にウイングバックの選手を追い越して決定機に顔を出すことも珍しくなくなった。

 チームとして見事な攻撃を見せた第12節横浜F・マリノス戦では、大岩はチーム最多の4本のシュートを打った。うち、CKに合わせた1本が貴重な同点ゴールになり、J1デビュー戦と同じ日産スタジアムで、「思い出に残るスタジアム。そこでゴールを決められて良かった」と、自らの成長を示すゴールを振り返った。

 しかし「だからこそ前半に失点してはいけなかった」と、勝ち点1にとどまったことへの反省を忘れない。自らのパフォーマンス以上に、チームの結果を意識して、高い目標を設定する。堂々とJ1の場で経験を重ね、成長を続ける大岩に妥協はない。

 最近の仙台はチームとしてのボール保持から多彩な攻撃をしかけられるようになったが、内容は向上しても連敗で結果を出せていない。次節こそ、成長を結果につなげたいところだ。

 大岩は前節のガンバ大阪戦で、一時は同点にする今季2点目を決めたが、終盤の失点で勝点を逃したことを悔やんだ。「DFとして自分は、失点を減らすことを考えないと」。反省しつつ、ここまでの戦いで得た自信とともに、神戸戦に向かう。

「チームとしても個人としても、あのときよりも自分たちがやれること自体が増えているので、神戸相手にもそれを見せたい。攻撃ひとつとっても、何パターンもできるようになっています。でも、まだまだ。もっと上を目指している以上、ここで満足せず、高めていきたい」

 高い志を持って、彼はチームとともに成長を続ける。

文=板垣晴朗

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最終更新:7/6(木) 20:27
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