ここから本文です

陸自北部方面隊が遭難者捜索術を若手警察官に伝授

7/6(木) 15:51配信

苫小牧民報

 陸上自衛隊北部方面隊(総監部・札幌)は6月29日から7月7日まで9日間にわたり、道警と東北6県警の警察官に「レンジャー教育」を行っている。登山や山菜採りなどたけなわのこの時期、山岳遭難などに必要な高い技術を、陸自が若い警察官28人に伝授。5日は支笏湖周辺のイチャンコッペ山で、遭難者を捜索・救助する総合訓練を繰り広げた。

 レンジャー教育は1971年に始まり、76年から2年に1回行っているが、公開するのは今回が初めて。北部方面混成団冬季戦技教育隊(真駒内)が指導を担当し、道警10人を含む20~33歳の若手警察官28人が参加している。真駒内駐屯地や支笏湖周辺などで訓練しており、警察官が地図の判読や救急法、救助に必要な道具の使い方など基礎から学んでいる。

 5日は総合訓練の初日。イチャンコッペ山で山菜採りをしていた男性が、前日から行方不明という想定で行った。警察官は14人ずつの2班に分かれ、午前6時40分ごろから捜索を開始。「捜索隊です」「聞こえますか」などと声を張り上げながら、急坂の登山道で遭難者を捜した。

 指導では陸自ならではの組織で対応する術を徹底的に伝授。大人の背丈ほどもある笹やぶでは、隣が認識できる範囲で一列に並び、「横隊」で前進して捜す手法も実践した。状況判断や仲間への指示などで滞ったり、仲間の作業の傍観者になったりするたび、指導する自衛官から「人命救助するんだろ」などと厳しい叱責が飛んだ。

 9合目付近の登山道から約30メートル下、斜度約35度の坂の途中に滑落し、けがをして動けない想定の対象者を発見。ロープを木や笹に結んで固定した上、もう一端を結んだ警察官1人が、「もう少しです」と声を掛けながら対象者の下へ。背負いハーネスでおんぶするように救助し、登山道までロープで引っ張り上げ、その後は慎重に下山した。

 最年少参加の道警細川大貴さん(20)は実際に山に入っての訓練に「組織として駄目だったところがあった。協力や連携、声掛け、支え合いなど課題があった」と率直に反省し、さらに練度を上げることを誓った。教官を務める同教育隊の元山博道一等陸尉(44)は「練度向上は図られている」と成果を示し、「警察とは一緒に活動する機会も多い」と有事に備え、協働の機運醸成にも期待していた。

 6日も定山渓小金湯周辺で総合訓練し、7日に閉講式を行う。

苫小牧民報

最終更新:7/6(木) 17:25
苫小牧民報