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【特集】激減クロマグロ 漁師と加工会社の挑戦

7/6(木) 15:30配信

毎日放送

いま、クロマグロが危機に瀕しています。テクノロジーの進化と計画性のない漁の影響で数が激減し、国際機関のレッドリストで絶滅危惧種に指定され、いまでは最盛期の10分の1しかいないといいます。資源が減り続ける中、今後もいかに捕り続けていくのか?漁業にかかわる人たちが始めた「魚の質を高める」取り組みを取材しました。

マグロが捕れない

生マグロの水揚げが日本でトップクラスの和歌山県那智勝浦町。延縄漁で一匹一匹丁寧に釣り上げられたクロマグロは身の質が良く刺身や寿司のネタなどで重宝されています。

「むちゃくちゃおいしい」(男性)
Q.那智勝浦ならでは?
「ですね、全然違いますね、やっぱり鮮度とかもあるんかな」

生マグロの産地ならではのメニューも。マグロの胃袋の酢味噌和えに心臓の刺身。目玉のから揚げも食べられます。

「(目玉のから揚げを食べて)骨せんべいみたいでおいしいですね、結構濃厚な味しますね。ビールにあいそうですね」(三宅立馬記者リポート)

マグロとともに歩んできた那智勝浦町。しかし今、肝心のマグロが捕れなくなっているといいます。港で漁師に聞いてみると…

Q.水揚げどうですか?
「だいぶ少ないんじゃない。本マグロはどこか別のところにいってしまったのか、だいぶ数は減ってる」(延縄船の漁師)
「この航海はまったくだね、経費分あるかどうか」

そもそもクロマグロの資源量は近年、最盛期の10分の1まで減少しています。

原因は「まき網漁」か

ただ、海洋資源に詳しい東京海洋大学の勝川俊雄准教授は最近の漁の方法にも原因があると指摘します。

「クロマグロの場合は魚が減ってしまって産卵期以外にはほとんど捕れない。産卵期の魚はえさを食べないので、釣りや延縄ではあんまり捕れない」(東京海洋大学・勝川俊雄准教授)

クロマグロの漁獲方法には主に、縄の先の針にえさを付けマグロがかかるのを待つ「延縄漁」や近年盛んになった泳ぐ魚の群れを網で包み込んで捕る「まき網漁」などがあります。

勝川准教授によると、いま水揚げされるクロマグロの多くは産卵に集まってきた親マグロの群れや、まだ子どもの魚をまき網漁で捕ったものだといいます。船に搭載されたソナーで群れを見つけまき網で一網打尽にするため、えさで大型魚を狙う延縄漁の水揚げが落ちているというのです。

「減った魚を効率的に捕る技術が発達しているので、規制なく競争して捕ったら資源がもたない。いまのテクノロジーをもってすると最後の最後まで魚は捕れちゃう」(東京海洋大学 勝川俊雄准教授)

国は子どものマグロを捕りすぎると絶滅の恐れもあるとして、他の国々とともにクロマグロの子どもの漁獲を制限することを決めました。ただ、実際は罰則がないうえ制限ぎりぎりになった段階で争うように漁に出るため、結果制限量を超えてしまい、うまくいっているとは言えない状況です。

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最終更新:8/2(水) 16:25
毎日放送