ここから本文です

変わるマレーシア阻む守旧的政治、真の現代化へ課題山積-Quicktake

7/6(木) 13:40配信

Bloomberg

1957年にマレーシアが英国から独立して以来、多くの点が変わった。マレーシアは入植者が切望していたスズやゴムの生産から、エレクトロニクス製品工場ややし油用農園に軸足を移した。今やイスラム金融の拠点になっており、世界有数の超高層ビルが並び立つ国でもある。

しかし変わらない点も多い。少数民族に不利な数十年来の法令に加えて、汚職や縁故主義も根強く残っている。政党の党首から一般大衆へと資金が渡っていく金権政治もまかり通っており、与党連合が60年にわたって政権を維持する一因になっている。首相の汚職疑惑に対する抗議デモが行われてもなお、野党が近い将来に現状を打破する公算は小さく、より開かれた現代的国家となるためのマレーシアの取り組みは後退しているとの指摘も聞かれる。

汚職疑惑

汚職スキャンダルの舞台は、ナジブ首相が2009年に設立し、1MDBという略称で知られる政府系投資会社だ。米司法省は首相の個人口座に預け入れられた6億8100万ドル(現在の為替レートで約770億円)が1MDBから盗まれたものだと主張。これに対し首相はサウジアラビアからの寄付金であり、所属する統一マレー国民組織(UMNO)と「一般社会で必要とされているもの」に資金を充当したと説明した。このスキャンダルはスイス、シンガポールなど複数の当局が捜査に乗り出す事態に発展した。

マレーシアの捜査当局は首相に不正行為はなく6億2000万ドルが寄付者に返金された上に、首相が他のいずれの捜査の対象にもなっていないと説明した。米当局は1MDBからは35億ドル以上の金額が不正に引き出されており、一部は「ウルフ・オブ・ウォールストリート」という映画の製作費に充てられたと主張している。

数万人が参加する反汚職デモが行われた。しかし、それから1年しか経っていないにもかかわらず、16年の州議会選挙では与党連合の国民戦線が圧勝し、18年中盤に予定されている総選挙でも勝利する可能性がうかがえる。その一因は、現首相批判の急先鋒アンワル・イブラヒム氏が14年に同性愛の罪で収監された後(人権擁護団体によれば政治的動機に基づく事件)、内輪もめが激化して野党が分裂しているためだ。現政権はまた反対派を弾圧し、扇動に関する法律を根拠にメディア幹部や活動家、風刺漫画家さえも拘束している。

1/2ページ

最終更新:7/6(木) 13:40
Bloomberg