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“納豆愛”育む工場見学 県内メーカー、受け入れに力

7/7(金) 4:00配信

茨城新聞クロスアイ

県内の納豆メーカーが工場見学の受け入れに力を入れている。納豆についてより深く知ってもらうのが狙いで、製造工程のほか、歴史や魅力を伝える展示など、各社が趣向を凝らしている。県内小学生の校外学習や観光ツアーにも組み込まれる人気ぶり。工場見学は来場者の“納豆愛”を育み、消費拡大やリピーター増加にも一役買いそうだ。

▽身近に
1889年の創業時から、わら包みで小粒大豆を使った「わらつと納豆」の製造を続ける笹沼五郎商店(水戸市三の丸、笹沼寛社長)。地元小学生らに納豆の製造工程を知ってもらおうと、1996年から工場見学の受け入れを始めた。

工場では大豆をわらやパックに詰める作業をガラス越しに見られる。予約時に要望すれば、わらに触れることや、発酵に欠かせない納豆菌のにおいをかぐこともできる。納豆の起源や同社の歴史などを学べる展示館も併設し、戦前まで製造に使用していた保温用釜などの道具も紹介している。

地元を中心とする小学生の校外学習の場としても利用され、昨年は千人以上が訪問。旅行会社の観光ツアーにも組み込まれる。案内役を務める笹沼昌代専務(72)は「納豆嫌いの子どもが作り方を知って食べられるようになったいう話も聞く」と明かす。

笹沼社長は「昔ながらの伝統食品を見直してもらうきっかけになれば。納豆を身近に感じてもらうことで消費喚起にもつながり、業界全体のプラスになる」と力を込める。

▽年3万人
納豆製造大手のタカノフーズ(小美玉市野田、高野成徳社長)は、1日200万食を製造する水戸工場(同市)の見学を受け入れ、子どもから大人まで年間約3万人が足を運ぶ。

大豆の洗浄から、製品化されるまでの一連の工程を見学できる。併設する納豆博物館では、世界の納豆事情や家庭での製法、過去の商品パッケージなどを展示。直売所で納豆やオリジナルグッズも販売する。

同社によると、来場者から「納豆が好きになった」「学ぶことができた」などと感想が寄せられている。担当者は「製造工程を知ってもらい、手に取ってもらう狙いもある。継続して食べるファンを増やしたい」と意気込む。

▽気付き
「舟納豆」ブランドで知られる丸真食品(常陸大宮市山方、三次美知子社長)は6月、工場内に製造工程を紹介する見学コースを新設した。「納豆ファクトリー」と名付けた約20メートルのコースでは、手作業でのパック詰めなどを公開。原料の大豆を直接手に取れるコーナーもあり、納豆のアレンジレシピも紹介する。

見学受け入れは毎週月、水、土曜。7月末までは予約でほぼ埋まる人気で、「良い意味で予想外」(同社)。来場者のほとんどは見学と併せて、工場近くの店舗で買い物を楽しむ。

広木和弘工場長(48)は「製造の手間暇を知ってもらうことで、商品の価値に納得してもらえる。さらに、来場者からの意見を通じて、業務改善のヒントを気付かされることも多い」と手応えを示した。(磯前有花)

茨城新聞社