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スピーカーごとクルクル巻けるBluetoothキーボードを試してみた

7/7(金) 6:25配信

ITmedia PC USER

 「Rolly Keyboard」という名の、くるくる巻き取ってスティック状になるユニークなBluetoothキーボードがLG Electronicsから登場し、ちょっとした話題になったのは2015年のこと。初代は数字キーの列が省略された4列構成ゆえ使いづらさもあったが、翌2016年に登場した2代目モデルは5列構成となり使い勝手が向上し、さらに日本向けにキートップに「かな」を印字したモデル「Rolly Keyboard 2 KBB-710」も投入され人気を博した。

【写真:キーボードを広げたところ】

 今回、そのRolly Keyboard 2にスピーカーを追加したような新製品「Bluetooth接続 スピーカーごとクルクル巻けるキーボード(914757)」が、上海問屋から登場した。以前、Rolly Keyboard 2をレビューしたことがあったが、今回のモデルは見た目こそ似ているものの、メーカーも仕様も異なる無関係の製品だ。両者の比較を交えつつ、ざっと使ってみた結果を紹介したい。

●新たにスピーカーを搭載 バッテリーは充電式に

 Rolly Keyboard 2は、5列のキーを巻き取ることから、断面が五角形のスティック状になることが特徴だった。本製品もやはり5列のキーを巻き取って五角形となる構造を採用しており、折りたたむ方式も変わらない。

 大きな違いは2つ。1つは「軸」に相当する本体の両サイドにスピーカーを内蔵していることだ。接続先となるタブレットやPCからは、スピーカーとキーボード、それぞれ別のBluetoothデバイスとして認識されるため、個々にペアリングを実行しなくてはいけないのが少々面倒だが、見方を変えれば、不要なときはスピーカーの機能を完全にオフにできるわけで、利点にもなり得る。

 もう1つは、単四形乾電池を用いていたRolly Keyboard 2と異なり、充電方式のバッテリーを採用したことだ。本製品は、スピーカーを搭載した本体部とキーボード部が分離できる構造になっているのだが、本体背面のMicro USBポートから給電することにより、本体、そしてキーボードがそれぞれ充電される。

 バッテリー駆動時間については、3時間の充電で、キーボードを約18時間、スピーカーを約6時間利用できるとされている。一般的なBluetoothキーボードに比べるとかなり短いことは、注意した方がよいだろう。もっとも、外出先でバッテリーが切れたときの回避手段として、USBケーブルで充電しながらの利用にも対応するのは心強い。

 内蔵のスタンドを用いてタブレットを立てられるのはRolly Keyboard 2と同様だが、折りたたんだスタンドをヒンジで開くというシンプルなギミックではない。本製品の内蔵スタンドはボールジョイントによって底面から引き出した後、背面側に90度折り曲げて最適な角度に調整するという、特殊なギミックになっている。

 これはスタンドの自由度の高さを追求した結果というよりも、構造の関係でスタンドを背面に収納できないことから、やむなく収納先を底面へと変更し、そこから引き出した後に90度折り曲げるために、可動域が広いボールジョイントを採用したのだと考えられる。

 ボールジョイントを使うとなると心配になるのが根元部分の強度だが、ボールジョイントを備えたスタンドの部品、及びそれを本体に取り付けている部品はいずれも金属製なので、うっかりあらぬ方向に曲げようとして折れる危険性はまずない。ただし使ってみた限りでは、可動範囲の広さが災いして、接地性はあまりよろしくなく、左右のスタンドがピタリと接地するよう調節するのが少々面倒だ。

 本製品の重量は約310グラム。Rolly Keyboard 2は電池込みで約161グラムだったので、約2倍の重量ということになる。これはスピーカーを搭載していること、また前述のスタンド部分に金属パーツを使っていることが主要因とみられる。

●iOS、Android、Windowsで使えるが、マルチペアリングはサポートせず

 前述のように、本製品はスピーカーとキーボードが別々のBluetoothデバイスとして認識されるので、ペアリングは別々に行う必要がある。電源ボタンは、スピーカー内蔵の本体部とキーボード部分を分離させた面に配置されており、ここでまず電源を入れたのち、ペアリングを実行することになる。

 気を付けたいのが、本製品はマルチペアリングをサポートしないことだ。Rolly Keyboard 2は最大3台までのマルチペアリングをサポートしていたが、本製品はそうではないため、接続先が変わる度にペアリングを再度行う必要がある。しかも本製品はスピーカーとキーボード、実質2つのBluetooth機器として認識されるため、ペアリングの手間も2倍かかり、それゆえ接続先の頻繁な変更には向かない。

 本製品はiOS、Android、Windowsの3つのOSに対応するのがウリの1つだが、こうした事情から、現実的には1台のデバイスと組み合わせて継続使用することを前提にした方がよい。もし、接続先を頻繁に切り替えながら使えるモバイルキーボードを探しているのなら、本製品は候補から外した方がよいだろう。

 なお本製品は自重が増していることもあり、大型のタブレットをスタンドに立てかけても安定性は非常に高いのだが、スタンドの左右の間隔が8~9センチ程度と広いため、一般的な5型クラスまでのスマートフォンだと、本体を縦向きにしてスタンドに立てることができず、横向きにセットせざるを得なくなる。使い方によっては弱点になるので、注意してほしい。

●キー配列は悪くないが、キータッチのクセに注意

 本製品のキー数は64。Rolly Keyboard 2に比べると各列にキーが1つずつ少ないのだが、主な理由は各列右端にあった「PageUp/Down」などのキーが省かれたことによるものだ。Enterキーの右側にこれらのキーが配置されているのはなじみにくかったため、このレイアウト自体は悪くないと感じる。

 さて、その文字入力の使い勝手についてだが、慣れるまではかなり苦労するというのが、実際に1週間ほど使ってみた感想だ。これはキー配置などの問題ではなく、キーそのものの構造に原因がある。

 というのもこの製品、パンタグラフキーを採用しており、キーストロークがそこそこ深いのはよいのだが、キーを押し込むとキートップがキーの周辺よりも深く沈むという、一般的なキーボードにはあまりない特徴がある。そのため、キーを押し込んだ状態では指先がくぼみにはまったような状態になり、次のキーに指を移動させようとするとキー周囲に指が引っ掛かるのだ。特に素早く入力しようとすると、この問題に必ず直面する。

 これを回避するには、キーを押した後に指をいったん離し、キーが元の高さに戻ってから次のキーに指を移すようにすればよいのだが、そうなると1文字ずつ目視で確認しながら入力するのと大差ないスピードになってしまう。慣れないうちは、入力したい文章が頭の中にたくさんたまっているのにアウトプットが追い付かない状態に陥りがちで、かなりのストレスだ。

 本製品はキーピッチが約16ミリとこの種のキーボードとしては余裕があるうえ、iOSとAndroidについてはキートップの印字と入力文字がほぼ完全に一致(deleteキーのみ実際にはBackSpaceとして機能する)していることから、使い勝手そのものは悪くない。それだけに、こうしたハードウェア部分がネックになり、入力スピードが上がりにくいのは、非常にもったいない印象だ。

●スピーカー付きで5000円切りと安いが、トータルで見ると価格相応か

 本製品は、実売1万円台のRolly Keyboard 2を大きく下回る、4999円(税込)という一見リーズナブルな価格設定も魅力の1つだが、マルチペアリング非対応、ややクセのあるキータッチなど、トータルでは価格相応といった印象が強い。

 スピーカー搭載という他にないプラス要因と、これらのマイナス点を比較して、どこまで許容できるかが、購入の可否の決め手となりそうだ。

最終更新:7/11(火) 14:06
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