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<関電値下げ>熱帯びる価格競争 大阪ガス「下げたら対抗」

7/7(金) 8:29配信

毎日新聞

 ◇3.15%値下げ 需要期8月の顧客奪還狙う

 関西における電気料金の値下げ競争が激化してきた。6日に関西電力が8月1日からの値下げを届け出ると、電力小売り自由化で勢力を拡大する大阪ガスも、8月をめどに3%程度引き下げる検討を始めた。記者会見で「大阪ガスさんのプランに負けないと思っている。踏み込んだ値下げをする」と意気込んだ関電の岩根茂樹社長。大阪ガス幹部は「関電が下げたら対抗する」と常々語っており、最も電気を使う8月に顧客争奪戦が熱を帯びそうだ。

 関電が届け出た値下げ幅は、家庭向け平均で3.15%▽大口・企業向け平均で4.9%▽それらを合わせた平均で4.29%。高浜原発3、4号機(福井県)の営業運転によって削減できる火力発電の燃料費だけで値下げしようとしても、値下げ幅は2%にとどまり、それ以外は経費圧縮などの経営効率化で年間461億円分を捻出した。

 関電が値下げに強くこだわるのは、昨年4月の電力小売り自由化によって、顧客が他社に移る動きが止まらないからだ。約83万件に達しており、このうち家庭向けで大阪ガスに移ったのは約35万件にも及ぶ。

 今回の値下げが実施されれば、標準的な家庭では月額料金が180円下がって6721円になる。それでも、大阪ガスでガスと電気のセット割引(ベースプランA)を利用すると、現行の料金体系でも8月の電気料金は関電より4円安い6717円となり、価格面の競争力は依然として大阪ガスが勝る。

 もっとも、関電が提供する電気とガスのセット割引を使えば、電気料金とガス料金の両方が大阪ガスより安くなる場合もある。岩根社長は「ガスとのセット割引や電気使用量に応じたメニューを提案したい」と顧客の奪還に意欲を示す。

 関電の値下げ幅について、幹部からは「これまで2度の値上げをしており、値下げ幅が中途半端では消費者の批判を招く」といった声もあり、ライバルとの顧客争奪戦を優位に展開するには、価格競争力のある料金設定は必須だった。

 それでも今回の値下げだけでは、2度の値上げ分を帳消しにするまでは至っていない。このため関電は、高浜原発よりも出力が大きい大飯原発3、4号機(福井県)を10月以降に再稼働させ、電気料金の再値下げに打って出る計画だ。岩根社長は「(大飯原発の再稼働で)速やかに値下げし、燃料費メリットを(顧客に)お返ししたい」と繰り返した。【小坂剛志、土屋渓】

 ◇まだ値上げ前より高水準

 関西電力が家庭向け電気料金を平均3.15%値下げしても、実際に家庭が支払う料金は、2013年に値上げする前と比べてまだ高い水準にある。

 多くの一般家庭が契約する「従量電灯A」の平均ケース(月間260キロワット時)で算定すると、11年4月~13年4月の電気料金は月5000円台で推移したが、13年5月に家庭向けで平均9.75%値上げした結果、6358円まで上昇した。

 2度目の値上げ(家庭向け平均8.36%)を実施した15年には7000円を超えたこともあった。電気料金は火力発電の燃料としている原油や液化天然ガスの価格変動を毎月自動的に反映させる仕組みがあり、それらの価格が国際的に下降したため、その後の関電の電気料金は6000円台で推移していた。

 再生可能エネルギーで発電した電力を電力会社が買い取ったコストを賄うため、電気を使う側が一定額を負担する仕組み(再エネ賦課金)もあるため、負担額が上がった今年5月からは6800円を超えている。

 記者会見で岩根茂樹社長は「消費増税と再エネ賦課金を除けば、13年の値上げ前の電気料金から100円程度高くなっているだけだ」と理解を求めた。【小坂剛志】

最終更新:7/7(金) 10:29
毎日新聞