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【のびやかに・浜木綿子】(24)「反抗期終了」宣言して驚かせた照之

7/7(金) 15:03配信

スポーツ報知

 息子の(香川)照之が、幼いときどんな子で私たちにどのような影響を与えたのか。母親目線から、2回に分けてつづってみようと思います。ずいぶん前の話です。小さな記憶違いがあったらごめんなさい。でも、とにかく、驚かされてばかりでここまできました。

 あれは小1の授業参観日。先生に「胸のまわりを何と言いますか」と聞かれ、照之は「胸囲です」と答えたことがありました。お母さん方から「お宅では、そんなことも教えてらっしゃるの?」と。私の頭の中は「?」だらけです。心の中で「胸囲なんて言葉、一体いつの間に覚えたのかしら」とドキドキしたのを覚えています。

 私の仕事中、母がよく読み聞かせをしてくれました。ストーリーを覚えると、逆に読み手に話の展開を説明し始めたり、表情をじっと観察したり。そんな中で、言葉も自然に増えていたのかもしれません。

 別の参観日には、こんな出来事もありました。息子が突然、席を立ったかと思うと、教壇へ。「一体どうしたのかしら?」。またしてもハラハラです。何やら先生の腰をトントンと叩いています。トイレでした。変わった度胸がありました。

 一方でうれしかった記憶で思い出すのは、中学の修学旅行で博多人形をおみやげに買ってきてくれたこと。着物が好きだった母にはかんざしを。でも、こんなに買えるほど、おこづかいは持たせていませんでした。聞けば、足りない分を先生に借りて買ったとのこと。借金など一度もさせたつもりはありません。その大胆な思いつきにびっくりしたのです。私が人形好きなのを知っていたのでしょうか。いまも大事に持っています。

 そして妹と時々、懐かしく話すことがあります。中2の反抗期のこと。荒っぽい言葉を使ってみたり、帰宅してもすぐ、自分の部屋に閉じこもったり。「お食事ですよ」と言っても、なかなか下りてこなかったり。家族で「反抗期が始まったね。辛抱強く様子をみようね」などと言い合っていました。

 ところがです。20日ほどたったころ。突然、私たちのいるところに来たかと思うと、「反抗期、終わったよ」とすっきりした顔で言うのです。えっ? そんなこと普通、自分で言います? 私たちの方がキョトンです。「そ、それはよかったね」みたいなやり取りをしたと記憶しています。

 でも今回、こうやって振り返ってみて思うのです。芸能人の親を持ってしまった彼は、彼なりに常にストレスを抱えながら過ごしていたに違いない、と。当時は俳優という仕事にも、全く興味はなさそうでした。

 反抗期は大人になる過程で、とても大事なものだといいます。自由でノビノビした反抗期、という表現は変ですが、本当はもっと好き勝手に振る舞いたかったでしょう。多感な時期に、自分ですべての感情をコントロールしていたと思うと、申し訳なさと、少なからずの罪悪感がよみがえってくるのです。(構成 編集委員・内野 小百美)

最終更新:7/7(金) 15:05
スポーツ報知