ここから本文です

建設業、人材確保に本腰 高校と連携、職場体験

7/7(金) 17:14配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 建設業界への就業者減少で人手不足の状態が続くなか、沼津建設業協会と加盟企業が担い手確保に向けた取り組みに力を入れている。地元高校との連携強化やインターンシップの積極的受け入れに加え、若手社員の交流の場を設けるなど人材流出の抑止に懸命だ。

 担い手不足は業界の共有の悩みだが、静岡県東部はとりわけ人手の確保に苦心している。ある建設会社幹部は「首都圏が近いため、人材がそちらに流れてしまう」と話す。

 高校との連携はこれまで県東部の建設業へ人材を輩出してきた県立沼津工業高を中心に進めている。

 2016年だけで69人のインターンシップを派遣した同校の教員と協会会員は17年度、初の意見交換会に臨んだ。協会側は「実践的な勉強をしてほしい」と求め、高校側は「インターンシップの受け入れをより進めてほしい」などと要請した。同協会の木塚直人事務局長は「学校と意識の共有を図れたことは大きな意義があった」と語る。

 確保した人材を流出させない取り組みも進んでいる。渡辺建設(裾野市)の渡辺正高社長室長は「高卒で入社し、5年以上続いているのはほぼ半分」と現状の厳しさを語る。同社は定着率の低下に歯止めをかけようと今年、若手社員同士の交流会を初めて設けた。

 月に1回ペースで集まり、前半は社会人のマナー講習、後半は社員同士の交流の場としている。渡辺社長室長は「若手社員が一堂に集まる機会は今まで無く、悩みを共有できる仲間がおらず孤立し、会社を辞めてしまうケースが多かった」と設置の意義を語る。

 沼津建設業協会の渡辺雄二会長は「20代の若手が圧倒的に不足している。このままでは技術の継承も途絶えてしまい、業界全体が先細りになってしまう」と危機感を強める。その上で「加盟社間で連携し、魅力を発信する取り組みを進めたい」と話した。



 <メモ>静岡労働局がまとめた建設業の有効求人倍率は2017年5月が4・51倍と全業種で比べると2番目の高さ。有効求人数の3033人に対し、求職申込件数は673人と大きな開きがある。16年8月から10カ月連続で4倍台の数字が続いている。

 2020年の東京五輪・パラリンピックの競技会場整備や東日本大震災被災地の復興事業に従事者が集中しているのが人手不足の一因とされ、同局の担当者は「少しでも人手がほしい企業側の意識と、求職者の業界に対する意識が一致していない」とする。

静岡新聞社