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ビッグマウスに隠された本音と戦略…麻生太郎財務相に対談求めた本田圭佑「僕は会いたい人に会える」

7/7(金) 8:46配信

産経新聞

 サッカー日本代表の本田圭佑選手(31)が6月20日、財務省を訪れ、麻生太郎財務相と対談した。昨年は安倍晋三首相や当時の馳浩文部科学相とも対談するなど、オフシーズンには政界との人脈づくりに勤しんでいる。「ビッグマウス」と揶揄(やゆ)されることもあるが、最近は自身の短文投稿サイト「ツイッター」で政治や社会問題についてのつぶやきも増えている本田選手。政治家と会談を重ねるその真意とは?

 「(麻生氏には)単純に以前からお会いしたいと思っていた。自分がこんな人間だと覚えてもらうことだけが目的だったので、それは果たせたと思う」。約30分の麻生氏との対談を終えた後、本田選手は記者団にこう語った。詳しい対談内容は明かさなかったが、「政治とは関係ない話をさせていただいた」という。

 また、昨年以降、安倍首相をはじめ、政治家と対談している理由を問われると、「僕はサッカー選手として著名人なので、普通に会えない人に会えるじゃないですか。それを利用している。会いたい人に会うというのは別に悪いことではないですよね」と説明。その上で、「すごく影響力のある人にできるだけ会いたい、学びたい、いろいろ盗みたい。そんな本当に純粋な思いで、安倍さんにも、麻生さんにもお会いさせていただきました」と、“貪欲に追究”する本田選手のストイックさが伝わる言葉を投げかけた。

 麻生氏との対談は、本田選手側から要請。通常国会の終了と本田側のオフシーズンのタイミングが合致し、実現した。ちなみに、昨年7月に安倍首相と対談した際は、サッカーを通じて貧困に直面する子どもたちの教育支援活動を続けていることを説明し、首相に協力を呼び掛けている。その対談後の取材には、「1度、本気で政治家になろうと考えたことがある」と明かしたが、「自分は、サッカーでここまできた。サッカーでどう、社会に恩返ししていくかが今の自分のテーマ」と述べ、政界転身は明確に否定。同日に対談した星稜高校の先輩である馳文科相に“打診”されるも、「今は(政治家になることに興味は)ないです」と断っている。

 本田選手が政治家と会う理由は何なのか。その答えをひもとく興味深いインタビュー記事が、平成24年9月6日付の日刊スポーツに掲載されていた。その記事には、当時、間近に迫ったワールドカップ予選などについての質問にはほとんど答えず、「今の日本をどう思うか?」という問いに対し、せきを切ったように話し始めた本田選手のインタビューが載っている。以下はその記事中の本田選手の言葉である。

 「オレたちの世代が、本物が評価される時代をちゃんと作り出すべきだと思う。オレがいう本物とは政治家のことであったりする。彼らは税金から給料を得ているわけだし、本物であるべきだと思う」

 「日本でのヒーローはアイドルやバラエティー番組のタレントという形になっているけど、そういうアイドル文化は日本、厳密にいうとアジア圏くらい。オレが言いたいのは、日本では、日本の政治家こそがスターであるべきだってこと。本物とは何かということに対してもっと真剣に考え、議論する必要があるんじゃないか」

 当時26歳だった本田選手は記事中で、“政治家こそが本物”であると強調している。過去には「本物以外は信用しない」との趣旨の発言もしている。実社会に影響を及ぼし、国政を支える政治家こそ“本物”で、さらにその中枢を統括する首相や大臣は“本物の中の本物”と捉えているのかもしれない。

 「プロサッカー選手であり、起業家であり、教育者」と自称する本田選手。2015年にはオーストリア3部に所属するサッカーチーム「SVホルン」の経営権を取得すれば、自身がプロデュースするサッカースクールを全国約70カ所で展開。教育ベンチャーのライフイズテックに投資する個人投資家の1人でもあり、昨年7月には米マサチューセッツ工科大メディアラボの特別研究員に日本人アスリートとして初めて就任している。

 政治家だけではなく、東京大学地震研究所、統計数理研究所の長尾大道准教授などとも交流があるというから、その人脈も多種多様だ。手がける事業もグローバルで、選手引退後のセカンドキャリアの構築に向け、培った人脈をフル活用するのだろう。もしかしたら、「“今は”ない」と、はぐらかす政界進出も将来的には現実味を帯びるのかもしれない。

 とはいえ、本業であるプロサッカー選手としては、イタリア名門、ACミラン退団後の移籍先は、まだ決まっていない。若手の台頭で日本代表での存在感も薄れつつある。アスリート以外の活躍も期待されるが、とりあえず今は本業で躍動する本田選手の姿を見たいというのがファン心理であろう。(経済本部 西村利也)

最終更新:7/7(金) 11:39
産経新聞