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ハロプロ藤井梨央さん、卒業直前の「契約終了」にファン激震…解雇ではないワケ

7/7(金) 14:57配信

弁護士ドットコム

大手芸能事務所「アップフロントプロモーション」は7月6日、ハロー!プロジェクトのアイドルグループ「こぶしファクトリー」のメンバー、藤井梨央さんの契約終了を発表した。

その理由について、同社の公式サイトで、「藤井本人に関してハロー!プロジェクトのルールに反する事案が発覚しました。改善するように話し合いましたが、その際に取り交わした約束が果たされなかった為、弊社としても責任あるマネージメントを継続することが困難と判断し、改めて、本人及び親権者と協議した上で、今回の途中解約に至りました」としている。

しかし、藤井さんは今年夏のコンサートツアーをもって卒業することが5月に発表されたばかり。卒業直前というタイミングだったこともあり、ファンの間で騒然となった。デイリースポーツ紙(電子版)で「仕事に対するモチベーションが著しく下がるなどしていた」と報じられたほか、ネット上では、なんらかのスキャンダルがあったからではないか、などともささやかれている。

契約終了にいたった詳細な理由は不明だが、一般的に、芸能事務所がタレントとの契約を終了させる理由とは、どのようなものか。芸能問題に詳しい河西邦剛弁護士に聞いた。

●「専属マネージメント契約」とは?

「芸能プロダクションとタレントとの間での契約は通常『専属マネージメント契約』『専属芸術家契約』という名前で呼ばれています。

今回のハロー! プロジェクトの公式サイトにも『専属マネージメント契約を終了』と表記されていることからも、「アップフロントプロモーション」(以下、UFP)と藤井さんとの契約は『専属マネージメント契約』という名称であった可能性が高いといえます。

『専属マネージメント契約書』には、肖像や実演等のタレントの権利の譲渡規定、契約期間、報酬・給与規程、タレントの遵守事項等が定められているのが一般です」

●ルール違反が法律上の契約違反になるとは限らない

今回はなぜ、契約が終了したのか。モチベーションが著しく下がっていたと報じられているほか、ネットでは、恋愛スキャンダル説、バイトしていた説、他の事務所のオーディションを受けていた説なども出ている。

「今回のUFPの発表には『藤井本人に関してハロー!プロジェクトのルールに反する事案が発覚しました』とあります。

専属マネージメント契約にはタレントの遵守事項として、例えば、薬物使用等の違法行為を行わない、飲酒喫煙は行わない等のある種当然の内容から始まり、体型や髪型の維持、さらには最近話題になった恋愛禁止条項まで規定されているものもあります。

もっとも契約書に記載されているルールが全て、法律上の拘束力を有するというわけではありません。現にアイドルの恋愛禁止条項については法的拘束力を認めなかった裁判例もあります。

なので、タレントのモチベーションが下がった、バイトをしていた、他の事務所のオーディションを受けていた、等の事実が発覚したとしても、芸能プロダクションは必ずしもタレントを解雇できるわけではありません。今回の発表にも、『途中解約』という表現が用いられており、解雇という表現は使用されていないところに特徴があるといえます」

●『解雇発表』には名誉毀損の可能性

なお今回、事務所は「途中解約」としている。

「最近は、タレントが事務所を辞める際には発表方法、発表の文言について、芸能プロダクション側とタレント側とで事前に話し合いがもたれ、双方納得のもので芸能プロダクションから脱退発表がなされるようになりました。

今回のUFPの発表をみても『藤井本人に関してハロー!プロジェクトのルールに反する事案が発覚しました』と記載があることから、藤井さんに何らかのルール違反があるということは明言しながらも、『解雇した』という文言は使用されず、あくまで『本人及び親権者と協議した上で、今回の途中解約に至りました。』と記載されています。

仮に、芸能プロダクションが、『解雇した』と一方的に発表した場合には、例えタレント側に何らかのルール違反があった場合であっても、芸能プロダクションの発表は名誉毀損に該当し損害賠償責任を負う可能性も十分にあります。今回の、UFPの発表をみても慎重に言葉を選んでいるとういう印象が随所に受け取られます」

【取材協力弁護士】
河西 邦剛(かさい・くにたか)弁護士
「レイ法律事務所」、芸能・エンターテイメント分野の統括パートナー。多数の芸能トラブル案件を扱うとともに著作権、商標権等の知的財産分野に詳しい。日本エンターテイナーライツ協会(ERA)共同代表理事。アイドルファンで、今まで参加したコンサートは300公演以上。

事務所名:レイ法律事務所
事務所URL:http://rei-law.com/

弁護士ドットコムニュース編集部