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日欧EPA大枠合意 チーズ大幅開放 16年目3.1万トン無税

7/7(金) 7:02配信

日本農業新聞

 【ブリュッセル玉井理美、西野拓郎】安倍晋三首相は6日、欧州連合(EU)のトゥスク大統領とユンケル欧州委員長と会談し、経済連携協定(EPA)交渉が正式に大枠合意したと発表した。最大の焦点だった欧州産のソフト系チーズは、低関税輸入枠を設けることで決着。枠は初年度の2万トンから16年目に3.1万トンまで拡大し、枠内税率は段階的に引き下げ、16年目に無税にする。ソフト系は環太平洋連携協定(TPP)で関税を維持したが、自動車などの関税撤廃を勝ち取るため、譲歩した。安倍首相は同日、国内対策の検討を指示した。

豚肉 TPP水準

 EUは人口5億人、世界の国内総生産(GDP)の22%、日本の輸出入総額の11%を占める。日本の農林水産品の関税撤廃率は95%程度になる見通し。発効すれば世界のGDPの3割を占める巨大な経済圏が誕生する。

 今後、積み残した分野の交渉を続け、年内にも最終合意する。ユンケル欧州委員長は、会談後の共同記者会見で、「2019年の早い段階での発効を目指す」と述べた。

 日欧は、米国のTPP離脱や英国のEU脱退といった世界の保護主義的な流れに対抗する狙いから合意を急いだ。

 安倍首相は会見で、「自由貿易の旗を高く掲げる政治的意思を示すことができたのは誇るべき成果で、世界に対するメッセージだ」と強調。さらに「TPPの早期発効に向けた議論を強く促すことになると期待している」と述べた。

 また、合意を受けての国内対策については、「できる限りの総合対策を行う。そのための態勢整備をするよう石原伸晃TPP担当相に指示する」と述べた。政府は14日にも対策本部を設置し、補正予算の編成をにらみ政策大綱の取りまとめに入る。

 農水省によると、ソフト系チーズの輸入量は現在約2万トン。低関税輸入枠は、カマンベールチーズやモッツァレラチーズ(現行税率29.8%)などTPPで関税を維持した品目だけでなく、TPPで関税を撤廃するシュレッドチーズ(22.4%)などを含めて横断的に設定する。

 豚肉は、差額関税制度を維持し、TPPと同様の決着。安い豚肉の輸入急増時に従量税を引き上げる緊急輸入制限措置(セーフガード)を設けた。

 その他の主な重要品目は、国産品と競合するパスタやチョコレート菓子にかける関税は11年目、構造用集成材は8年目、ワインは即時、それぞれ撤廃する。米は関税削減の対象から除外した。

 一方、日本産農産物の輸出拡大に向け、米以外の全ての農林水産品の関税撤廃を獲得。牛肉や緑茶は関税を即時撤廃。欧州が輸入を規制している豚肉や鶏肉、鶏卵、乳製品も関税を即時撤廃し、輸出解禁に向けた手続きを進める。

 欧州が日本車にかける10%の関税は8年目に撤廃する。日本側は5年以内の早期撤廃を求めたが妥協した。

日本農業新聞

最終更新:7/7(金) 7:02
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